研究課題/領域番号 |
19K00447
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
齊藤 美和 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (90324962)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 終活 / 近代英国 / 女性 / 寡婦 / 妊婦 / 出産 / 近代英国の女性 / 妊娠・出産 / 母・妊婦 / John Donne / 助言書 / 伝記 / 助言 / 遺言 / 墓碑銘 / ジェンダー / 死生観 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国で〈終活〉という言葉が聞かれるようになって久しい。遺族のために財産を整理し、葬儀や墓の算段をする。どれほど「自分らしさ」を謳おうとも、行儀よく人生を「始末」するためのこうした活動は、死の規格化・制度化を助長するばかりで、生者にとっての死の意味を改めて問い直すことはない。本研究は、近代初期に立ち戻り、死のシステム化が確立する以前の西洋社会において、人々が、特に女性が、どのように死と向き合い、死に備えたかを、女性の人生における特定の場面、すなわち〈出産〉と〈家族との死別〉に的を絞って、研究するものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、近代英国において人々が日常生活のなかで実際にどのような姿勢で死と対峙したかを明らかにするために、個別具体的で生活に密着した資料を研究の対象とするという立場に基づき、特に当時の女性が日々、どのように死と向き合い備えたかを探るべく、彼女たちが死をとりわけ強く意識したであろう人生の二つのステージ、すなわち<出産>と<夫との死別> に焦点を合わせ、妊婦や寡婦が残した助言書や遺言、祈りや瞑想の記録、回顧録等を中心に調査し、加えて出産に関わるメタファーに着目することにより、女性特有の〈終活〉のあり方を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国で〈終活〉という言葉が聞かれるようになって久しいが、どれほど「自分らしさ」を 謳おうとも、行儀よく人生を「始末」するためのこうした活動は、死の規格化・制度化を助長するばかりで、生者にとっての死の意味を改めて 問い直すことはない。本研究は近代初期に立ち戻り、死のシステム化が確立する以前の西洋社会において、特に女性が各ライフ・ステージでどのように死に備えたかを明らかにすることで、現代社会の〈終活〉のあり方に一石を投じるとともに、日常生活のなかで残された資料を調査の中心に据えたこと、またメタファー分析を取り入れたことにより、従来の研究とは異なるアプローチから、近代往生術を研究することができた。
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