研究課題/領域番号 |
19K00449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
田久保 浩 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (20367296)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | イギリス文学 / 18世紀 / 女性作家 / メディア / 詩 / フランス革命 / Sensibility / ロマン派 / sensibility / 18世紀文化 / media / イギリスロマン派 / 英文学 / Media / Poetry |
研究開始時の研究の概要 |
イギリスの18世紀文学を特徴づける「感受性の文学」(Sensibility)は、出版文化の発展とともに生まれたという前提のもとに、この思潮を代表する女性詩人たちをめぐる言説を研究する。女性詩人たちの影響は1780年代最高潮に達するが、フランス革命後の英仏の開戦を機に「感受性」も女性作家たちも同時に批判される状況が生まれる。本研究はイギリスのイデオロギー転換期である1790年代の詩と出版メディア上の言説を検証するなかで、感受性の文学が本質的に性差や社会階層を超える方向性を持っていたが故、女性蔑視の言説により、それと一体のものとして攻撃されたという仮説を裏付けようとするものである。
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研究成果の概要 |
1788年より、新聞紙上に発表した「感受性」影響の顕著な作品で詩人としての地位を築いていったメアリー・ロビンソンに焦点を当て、自由の主題の表現、および、ギリシャ神話のプロメテウスのモチーフにおいて、シェリーら、ロマン派先駆けと位置づけられることを示した。次に、フランス革命の同時代記者として知られるヘレン・マライア・ウィリアムズの韻文、散文と、ワーズワースやシェリーとの思想的、文学的親近性について、特に、ウィリアムズの訳したフランスの地質学者、政治家ラモン・ドカルボニエールのテクストを介して検証を行い、想像力の概念の理解において、ワーズワースらと共通の立場に立っていたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イギリス・ロマン派研究は、いまだに6人の中心的な男性詩人の作家論、作品論として行われることが多いが、今回、メアリー・ロビンソンとヘレン・マリア・ウィリアムズを中心に行った研究は、自由と想像力の概念において、後のロマン派とははっきりとした連続性がみられることを明らかにした。一連のメディア・ディスコースとして、1790年代のフランス革命への反動としての政治的抑圧の流れを考察しながら、女性作家たちの文学を検証することで、イギリス・ロマン派の文学を女性作家らも含めた一連の影響関係の中に位置づけることの必要性が明らかとなり、それによりこの時代の文学の実像に近づくことへの可能性が示された。
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