研究課題
アメリカ感傷/家庭小説が、アメリカ近代リアリズム小説の形成にどのような影響を与えたのかを考察するにあたり、顕著かつ検討にふさわしい事例としてルイザ・メイ・オルコットとヘンリー・ジェイムズの影響関係を分析する。従来のヘンリー・ジェイムズ研究では、アメリカの感傷/家庭小説から受けた影響について詳細に論じられることがなかった。そこで本研究ではこの二人の作品を比較検討することで、アメリカ文学史のミッシングリンクともいえる感傷/家庭小説から近代リアリズム小説への展開を明らかにすることを目指す。