研究課題/領域番号 |
19K00455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
佐々木 真理 実践女子大学, 文学部, 教授 (30297436)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 女性作家 / フェミニズム / 優生学思想 / 女性運動 / アメリカ文学 / ユートピア小説 / 優生学 / ユートピア / 女性誌 / ケイト・ショパン / 女性の身体 / アメリカの女性作家 / 女性 / 性差 / 身体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アメリカ合衆国の社会と文化に大きな影響を与えた、優生学に基づく身体に関する思想や言説が、女性作家作品における女性の身体の表象にどのように作用したのかについて、ケイト・ショパンを中心に考証することで、当時の性差と身体に関する規範に対する女性作家の反応と戦略を明らかなものとすることである。ショパンの作品と、同時代の女性作家の作品の比較分析を踏まえ、アメリカ女性文学の原点にある問題を突き止め、現在の女性文学を読み直す通時的な視点と、女性文学の理解と分析に関する新たな視点を提供することにより、現代社会へのアクチュアルな問いかけを試みるものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、19世紀後半から20世紀初頭にかけてアメリカ合衆国の社会と文化に大きな影響を与えた優生学に基づく思想や言説が、女性作家の作品における女性の身体の表象にどのように作用したのかを考証することで、性差と身体の問題がどのように言説化され、どのように女性作家の作品と交差したのか,その過程と余波を捉え直した。 具体的には、新たな女性象が19世紀末からアメリカの雑誌等のメディアに頻出するようになったが、その身体が優生学思想に基づく白人中心主義的なものであること、そして、そのような女性の身体の表象が、建国時代から20世紀にいたる女性作家の作品における一つの流れを形成していたことを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アメリカにおける女性作家たちの作品に焦点を絞り、新たな女性像の表出を試みた女性作家の作品が、同時代の社会において趨勢を占めた優生学思想と切り結んだ関係を精緻に分析することで、時代を越えてアメリカ女性文学を捉え直す通時的な視点を獲得した。また、それによって、現在まで残る女性作家たちの問いの発端にあるものをとらえ、女性文学の理解と分析に関する新たな枠組を提供した。
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