研究課題/領域番号 |
19K00458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
森 あおい 明治学院大学, 国際学部, 教授 (50299286)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | トニ・モリスン / 人種 / ジェンダー / アメリカ文学 |
研究開始時の研究の概要 |
2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ事件以降、その後も続くテロリズムへの恐怖から、世間では異なった背景を持つ他者を排除して、排他的で均質的な社会を築こうとする不寛容な動きが見られる。本研究の目的は、このような不寛容な時代にあって、文学・文化の力で権威主義に対抗しようと試みるアフリカ系アメリカ人女性作家トニ・モリスンの言説を取り上げ、他者/外国人として抑圧された人々の表象に織り込まれたエンパワメントの可能性を明らかにすることにある。
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研究実績の概要 |
研究計画時には研究期間を4年間と設定し、2022年度を研究課題である「トニ・モリスンの他者表象を通して見る不寛容な時代の文学・文化研究」の最終年度として予定していたが、新型コロナウィルス感染症の影響で研究が予定通り進まなかったため、2023年度末までの1年間の研究期間延長を申請し、認められた。しかしながら、2023年度も新型コロナウィルス感染症の余波で、海外の大学、研究機関での調査、また学会発表を行うことはできなかったため、さらに研究期間の1年延長を申請して2024年度まで研究を継続することが承認された。 あいにく、2023年度に予定していたプリンストン大学ファイアストン図書館での研究調査や国際学会出席は叶わなかったが、次年度の国際学会での研究発表を視野に入れて、資料収集・文献解題等の研究活動を国内で継続した。幸いなことに、2024年5月にアメリカ・シカゴで開催されるアメリカ文学会(American Literature Association)におけるトニ・モリスン学会(Toni Morrison Society)主催のパネル,「ジャンルとしてのインタビュー」("The Interview as Genre" )に"The Interview and the Translation Now and Then"というタイトルで、アブストラクトを提出したところ、受理された。現在は、同パネルでの研究発表のための準備を鋭意進めており、主にモリスンの過去のインタビューの見直しを行った上で、インタビューの役割、また翻訳の重要性に関する論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は本来であればコロナ禍で中止を余儀なくされていたアメリカの研究機関での調査・研究を実施する予定であったが、急激な円安や航空券・宿泊費の高騰、また校務の負担増により、残念ながら実現が叶わなかった。研究対象であるプリンスストン大学ファイアストン図書館所蔵のトニ・モリスン・ペーパーズの調査ができなかったことは、研究を進める上で大きな障壁となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究着手時には、当該研究最終年度に研究の総括として所属する黒人研究学会等で、海外のモリスン研究者を招聘して、国際シンポジウムを開催し、意見交換を行う予定でいたが、残念ながら実現の目途は立っていない。当初の予定とは多少異なるが、本年度は改めてアメリカでの調査研究を中心に、総括に注力したいと考えている。先に述べたように、2024年5月にアメリカ合衆国シカゴで開催されるアメリカ文学会(American Literature Association)におけるトニ・モリスン学会主催のパネルに登壇することが決定しており、他の登壇者とも意見交換できるように準備を進めたいと考えている。特に、同パネルのもう一人の発表者であるキャロリン・デナード(Caroly Denard)氏は、トニ・モリスンのインタビュー集Toni Morrison: Conversationsの編者として知られており、インタビューというジャンルでインタビューアーが誘導する他者表象についても意見交換を行いたいと考えている。 さらに夏休みには、コロナ禍で中断していたプリンストン大学ファイアストン図書館での研究調査を再開し、さらに他者表象とアートの関係を調査するために、ニューヨークやワシントンDCのアフリカ系アメリカ人アートの蒐集で知られる美術館でのリサーチを実施予定である。最終的にはこれらの調査・研究を踏まえて、学会発表や研究論文執筆の準備を進めたいと考えている。
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