研究課題/領域番号 |
19K00467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
三浦 清美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20272750)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中世ロシア / 聖者伝 / テオーシス / モスクワ / ウクライナ / ロシア / キリスト教 / 東方正教 / アウトクラトール / 説教 / 中世 / 民衆文化 / 奇跡 / 洞窟のフェオドーシイ / ラドネジのセルギイ / 府主教フィリップ / 超越者 / 修道院 / 死生観 / 聖人伝 / hagiography |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中世ロシア聖者伝文学を、ロシア民衆文化の所産として捉え直し、「この世」と「超越界(天上界、異界、神の世界)」との境界にある諸エピソードを題材に、ロシア人の死生観を歴史的に展望する。より多くのロシア聖人伝を日本語への翻訳作業によって物語のタイポロジー分析を行い、ロシア人の死生観の本質を明らかにする。日本では従来関心がもたれてこなかったロシア聖人伝刊本と研究書を収集し、ロシア諸図書館、文書館での写本にあたってテクストを調査、翻刻したうえで、これらを分析し、そこから立ち現れるロシア人の死生観を明らかにする。
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研究実績の概要 |
コロナ禍は一段落したとしても、ロシア・ウクライナ戦争のために十分な文献ならびに遺跡の調査ができなかったために、2020年度より当該テーマにおける研究成果の取りまとめに方向転換を行ってきた。2020年度に『キエフ洞窟修道院聖者列伝』、2021年度に『中世ロシアのキリスト教雄弁文学(説教と書簡)』、2022年度に『中世ロシアの聖者伝(一)-モスクワ勃興期編』を上梓したのに続き、2023年度は『中世ロシアの聖者伝(二)-モスクワ確立期編』を出版することができた。この本に掲載された作品は以下のとおりである。「悪魔に乗って旅したノヴゴロドのイオアンについての物語」、「ローマ人アントニイ伝」、「ボロフスクのパフヌーチイ伝」、「ヴォロコラムスク聖者列伝」、「ベロオゼロのフェラポント伝」、「ベロオゼロのマルチニアン伝」、「ワラアム修道院についての物語」、「ソロフキのゾシマとサッヴァーチイ伝」。巻末には、モスクワ確立期に起こった諸事件と本書に収められた作品との関係について述べた解説を掲載した。そのほか、ロシアに特徴的な宗教思想であるテオーシスに関する論文(「聖なる神の御母への冒涜とその具体的内容―プスコフ近郊メリョートヴォ教会壁画と中世ロシアの説教から」)、17世紀スムータ期の宗教的ダイナミズムについての論文(「「嫌われ者」を通して見る宗教戦争としてのスムータ」)を執筆した。そのほか、ロシア・ウクライナ戦争の歴史的起源について述べた論考(「[第2講]キエフ・ルーシーロシアとウクライナの分岐点」)、ロシアの統治者像についての対談記事(「ロシア正教―なぜツァーリは絶対的な力を持つのか」)を発表した。さらに翻訳して公表すべき作品は残っているが、それは今後の課題として残したい。概して、成果は上がったように思われる。
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