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ポール・ヴァレリーとエクリチュールの情動性

研究課題

研究課題/領域番号 19K00474
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02040:ヨーロッパ文学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

松田 浩則  神戸大学, 人文学研究科, 名誉教授 (00219445)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワードエロス / 手紙 / ポール・ヴァレリー / カトリーヌ・ポッジ / ルネ・ヴォーティエ / ジェノヴァの危機 / ロヴィラ夫人 / 日記 / 書簡 / 知性 / エクリチュール / 官能性 / 情動性
研究開始時の研究の概要

ポール・ヴァレリーはその生涯にわたって数多くの手紙を友人や愛人などに書き送ってきたが、そこでヴァレリーは作家個人の周辺に起こった雑事ではなく、作品制作のさまざまな秘密を明らかにしている。公的に出版された作品をよりよく分析するためにも、私的領域で書かれた手紙や日記などの研究が必要とされるゆえんである。こうした観点から、今回の研究では、ヴァレリーの愛人といわれたカトリーヌ・ポッジ、ルネ・ヴォーティエ、ジャンヌ・ロヴィトンと交わした書簡や、彼女たちに触発されて書かれた作品群、さらに彼女たちの日記や作品に残されたヴァレリーの影響などを分析することによって「知性」と「エロス」の相克を明らかにする。

研究成果の概要

本研究はコロナウィルスの蔓延の影響もあり、本来3年の研究期間が5年に延長された。この間、ロヴィラ夫人、カトリーヌ・ポッジ、ルネ・ヴォーティエに宛てられたヴァレリーの書簡や彼の作品や日記を丹念に読み直すとともに、パリのフランス国立図書館で資料の確認を行った。こうした研究の結果、これまでの研究とはかなり異なる成果を論文の形で発表することができた。とりわけポッジとの恋愛がそれよりも30年前のロヴィラ夫人との恋愛を再解釈する契機となっただけでなく、ロヴィラ夫人との愛を神話化する方向へとヴァレリーを向かわせたことを明らかにすることができた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

どのような作家にもエロスや恋愛を表現するうえでの個別的で特殊な表現方法があるものだが、ヴァレリーの場合、単にその文面に抒情的な比喩表現が頻出するというのではなく、フランス語という言語の表現可能性の限界を問うものとなっている。いわば言語という社会システムと個人のエロスの相克の場面となる。この意味で、公表や発表を目的とされていなかった内的な書き物の研究を通して、作家が言語とどのような関係を結びうるのかを考える上で学術的にも社会的にも大きな還元が期待される研究になっていると思われる。

報告書

(6件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] ロヴィラ夫人と「パラヴァスの小さな汽車」2024

    • 著者名/発表者名
      松田浩則
    • 雑誌名

      ヴァレリー研究

      巻: 11 ページ: 61-68

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] カトリーヌ・ポッジと「ジェノヴァの夜」2024

    • 著者名/発表者名
      松田浩則
    • 雑誌名

      ヴァレリー研究

      巻: 11 ページ: 69-95

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ヴァレリーあるいは1922年春の危機 ー 伝記研究とテクスト分析のはざまで2021

    • 著者名/発表者名
      松田浩則
    • 雑誌名

      紀要

      巻: 48号 ページ: 23-60

    • NAID

      120007006703

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] テスト氏の秘められた生活2023

    • 著者名/発表者名
      松田浩則
    • 学会等名
      日本ヴァレリー研究サンタ―研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] カトリーヌと「ジェノヴァの夜」2022

    • 著者名/発表者名
      松田浩則
    • 学会等名
      日本ヴァレリー研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] カリンとポールの物語あるいは《Ave atque Vale》2019

    • 著者名/発表者名
      松田浩則
    • 学会等名
      人文研アカデミー2019
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2025-01-30  

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