研究課題/領域番号 |
19K00479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
畑 浩一郎 聖心女子大学, 現代教養学部, 准教授 (20514574)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フランス文学 / ロマン主義 / オリエンタリズム / 共属意識 / 旅行記 / フランス・ロマン主義 / ヤン・ポトツキ / フロベール / ポトツキ / 東方問題 / シャトーブリアン / スタール夫人 / 地中海 |
研究開始時の研究の概要 |
フランス・ロマン主義時代の文学者たちは、自分とは異なる人間の集団に対して奇妙な親近感を抱くことがある。国籍、言語、宗教、民族を超えて自由に引かれる境界のありようは、フランス・ロマン主義時代の文学に特徴的なものであり、従来の「自他」の二元論には還元できない、複雑で多様な人間認識のモデルを構成している。本研究ではそれを「共属意識」と名づけ、その文学的な表れを考察する。
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研究成果の概要 |
19世紀前半のフランスは、中近東やアフリカといった、これまでヨーロッパとの接触が限られていた地域に接近し、関係を深める。その中で、ロマン主義時代の文学者たちは、さまざまな指標ー民族、言語、宗教、習慣ーを用いて、「自他」の線引きを行なう。本研究が着目したのは、彼らの認識がしばしば単なる二元論を越え、本来「他者」として現れるべき人間に対して、奇妙な「親近感」を抱くことがあるという事実である。本研究ではそれを「共属意識」と名づけ、その文学的な表れを考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
計5年にわたる研究期間において、主に2本の軸を設定して考察を行なった。ひとつは、ギュスターヴ・フロベールが1848年に友人マキシム・デュ・カンとともに行なったオリエント旅行についての分析である。『ボヴァリー夫人』や『感情教育』の作者として知られるフロベールだが、彼の近東旅行に関してはこれまでまとまった研究はなかった。二つ目の軸は、ポーランド出身の大貴族ヤン・ポトツキの残した小説、紀行文についての検討である。日本ではまだほとんど知られていないこの大作家の著述を通じて、19世紀ヨーロッパにおける「自他」のありようを考察した。
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