研究課題/領域番号 |
19K00490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤田 恭子 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (80241561)
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研究分担者 |
鈴木 道男 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (20187769)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マイノリティ / ブコヴィナ / トランシルヴァニア / イディッシュ / ナチズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、第一次世界大戦後にルーマニアのマイノリティとなったユダヤ系およびドイ ツ系ドイツ語詩人や作家が自らの背負った多言語性に対して示した一見相反する姿勢に着目し、多言語性が彼らの文学の形成に果たした役割を考察するものである。 ルーマニア・ドイツ語文学は、近年のドイツ文学研究で次第に注目を集めているが、国民文学観を踏まえた文学史観の桎梏から解放されることは現在もなお難しい。マイノリティの視座から従来の文学評価に新たな照射をも行うことで、文学研究およびマイノリティ研究双方に寄与可能な学際研究である。書籍化やデジタル化されていない重要な資料の発掘と部分的公刊も可能となる
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研究成果の概要 |
本研究では、第一次世界大戦後にルーマニアのマイノリティとなったユダヤ系およびドイツ系ドイツ語詩人や作家が自らの多言語性に対して示した相反する姿勢に着目し、多言語性が彼らの文学の形成に果たした役割を考察した。研究代表者と研究分担者が携わってきた研究テーマに基づき、藤田がブコヴィナ、鈴木がト ランシルヴァニアを担当したが、相互に情報交換し、総合的に議論を行った。 ブコヴィナのユダヤ系ドイツ語詩人たちにおける「カノン」としてのゲーテ尊崇の一方で、イディッシュ語詩人イツイク・マンゲルとの交友があったこと、トランシルヴァニアにおけるシラーとルターを中核とする民族意識形成の諸相などが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、第一次世界大戦後にルーマニアのマイノリティとなったユダヤ系およびドイツ系ドイツ語詩人や作家が自らの背負う多言語性に対して示した一見相反する姿勢に着目し、多言語性が彼らの文学の形成に果たした役割を考察した。 第二次世界大戦後のユダヤ系住民の離散、東西冷戦による西側との遮断、そして東欧革命後のドイツ系コミュニティ崩壊により、戦間期および戦後の資料の多くが歴史に埋没していたが、本研究は、それらを掘り起こすことで、戦間期から戦後にかけてのユダヤ系ドイツ語詩人とイディッシュ語詩人の交流やトランシルヴァニアにおいてマイノリティとなったドイツ系住民の民族意識の諸相を明らかにすることができた。
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