研究課題/領域番号 |
19K00495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
田中 琢三 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (50610945)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フランス文学 / ナショナリズム / モニュメント / モーリス・バレス / ジャンヌ・ダルク / キリスト教 / カトリシズム / 文献学 |
研究開始時の研究の概要 |
モーリス・バレス(1862-1925)の小説、特に19世紀末から20世紀初頭にかけて刊行されたバレスの代表作である『国民的エネルギーの小説』三部作(1897-1902)におけるモニュメントの表象を分析する。具体的には、この三部作に登場する墓碑や戦没者記念碑などの死者の記憶を伝えるモニュメントの数々に注目し、作品においてこれらのモニュメントがどのような象徴的意味や物語的機能を担っているのかを、バレスの思想、とりわけナショナリズムとの関係において検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、フランスの作家モーリス・バレス(1862-1923)の小説において、モニュメントがどのように表象されているのかを検討した。そして、バレスの小説に登場するモニュメントは、政治的・イデオロギー的な意味を持つとともに、モニュメントを目にした登場人物の想像力を喚起し、その感性や思想に影響を与えるという点で文学作品のような機能があること、つまり、バレスの小説においてモニュメントは政治と文学の結節点であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、『デラシネ』(1897)や『霊感の丘』(1913)などのモーリス・バレスの代表的な小説を取り上げ、モニュメントの表象という従来の研究にはなかった観点から、これらの小説を分析して新たな解釈の可能性を示し、さらにバレスの作品におけるモニュメントの政治的、文学的機能の重要性を明らかにして、バレス研究の発展に寄与したことにある。さらに本研究は、モニュメント研究の文脈においても、文学つまり言語表現によるモニュメントの表象を検討した点で新規性があり、従来のモニュメント研究に一石を投じるものである。
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