研究課題/領域番号 |
19K00503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
渡邉 顕彦 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (60612025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 近世ラテン語文学 / イエズス会劇 / キリシタン文化学 / 近世ラテン語 / キリシタン研究 / イエズス会演劇 / 西洋古典学 / キリシタン / ラテン語 / 近世ヨーロッパ / 日本 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本を扱った近世ラテン語文学作品のうち、未出版手稿で現存するもの数点をとりあげ、(1)作品の日本情報がどのように記録され、ヨーロッパに伝達されたのか、(2)作品が制作された環境においてその情報がどのように受容、選択、加工、再発信されたのかを包括的に明らかにする。内容が未知である日本関係の近世ヨーロッパのラテン語一次史料を発掘し、その生成の文脈をたどることは、西洋古典学やキリシタン文化学のみならず比較文学、文化史、思想史、海外交流史等他分野にも新たな研究の可能性をもたらすことが期待される。
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研究成果の概要 |
この研究の主要な成果は「Japan on the Jesuit Stage: Two 17th-Century Latin Plays with Translation and Commentary」と題して出版された単著書である。この著書で研究代表者はコブレンツで1625年に、またミュンヘンで1665年に作成・上演された2点の日本関係ラテン語劇の文献学的に正確な校訂版を完成させた。また校訂版にはラテン語原文だけでなくその英語訳、および英語の解説・注釈も付随しており、これら作品の歴史的・政治的・社会的・教育的・文化的背景を説明している。また他にも研究期間中複数の研究報告や論文を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究により、17~18世紀に欧州を中心として当時の教養語であったラテン語で作成された文献群の中で日本宣教がどのように受容され、再拡散されていったのか、学会未見の一時文献2点を中心として詳細に検証することができた。近世ラテン語文学はいわゆる異教古典の伝統を色濃く引き継ぎながらも、キリスト教化した西欧を中心に作成され読み継がれていった多様性に満ちた伝統である。この近年再度注目をあびている伝統の中に、古代地中海からも西欧からも遠く離れた日本の情報がどのように受容されたのかを調査することは今後もヨーロッパの多様性および日本との歴史的繋がりを理解するため重要であると考えられる。
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