研究課題/領域番号 |
19K00510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
真野 倫平 南山大学, 外国語学部, 教授 (30257232)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 仏文学 / ジャーナリズム / 現代史 / 歴史 / ルポルタージュ文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アルベール・ロンドルの著作を分析するとともに、近代ジャーナリズムの歴史とルポルタージュ文学の誕生について考察する。また関連領域として、19世紀以降の犯罪科学と犯罪報道、植民地主義ならびに奴隷制度、さらに、精神医学、売春制度、軍隊制度、ユダヤ人問題などについても検証する。以上の作業を通じて、ロンドルのルポルタージュの社会的影響を再検討するとともに、現代のメディアのあり方についても再考を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、両大戦間に活躍したフランスのリポーター、アルベール・ロンドルの仕事を研究しつつ、ヨーロッパにおけるジャーナリズムの発達、とりわけルポルタージュというジャンルの成立について解明することを目的とする。ルポルタージュはジャーナリズムの一部をなすのみならず、歴史や文学といった周辺領域と密接な関係を持つ。それゆえに本研究では、歴史的・文学的観点からの分析を交えることでルポルタージュというジャンルをより立体的に理解することを試みる。 2022年度には、ロンドルの著作を分析するかたわら、彼が調査対象として主題の歴史的背景を解明した。同時に、第三共和政下のジャーナリズムの発達を歴史的に検討し、ロンドルが同時代のリポーターの中でいかなる位置を占めるのかを検証した。さらに以上の調査・研究にもとづき、評伝という形でロンドルの業績を紹介する著書の執筆作業を行った。そこでは特に、ルポルタージュの主人公として活躍するヒーローとしてのリポーター像に注目し、文学的な観点からルポルタージュを扱う可能性についても検討した。また、資料調査のためフランスへの研究出張を計画していたが、新型コロナウイルスの状況を勘案し実施しなかった。 研究成果としては、2023年3月に水声社より単行本『アルベール・ロンドル 闘うリポーターの肖像』を刊行した。同書は日本におけるロンドルの初めての研究書であり、出版に際しては勤務先である南山大学の学術叢書出版助成を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行が完全に収束していないため、夏季に予定していたフランスへの出張を中止し、その結果資料調査に若干の遅れが生じた。とはいえ、それによって生じた時間を著書の執筆作業に充てることで、年度末に著書1冊を刊行するにいたった。当初の計画では2022年度で研究を完了する予定だったが、手つかずの研究領域が若干残されていること、および研究領域をさらに周辺に拡大する余地があることから、さらに1年期間を延長して研究を継続することにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究領域をさらに拡大し、ロンドルの同時代のジャーナリストについて調査を進めたい。また、ロンドルの極東調査について新資料を入手したので、それについても独自に調査を進めたい。さらに、夏季にフランス出張を行い、資料調査を進めるとともに、フランスの研究者との交流をはかるつもりである。
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