研究課題/領域番号 |
19K00511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
伊藤 玄吾 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70467439)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | バイフ / 16世紀フランスの旧約聖書詩篇翻案 / 16世紀フランス詩 / ルネサンス詩学 / 詩と韻律 / 16世紀フランスの詩篇翻訳 / 16世紀フランスのヘブライ語研究 / 翻訳と韻律 / ルネサンス期ヘブライ語研究 / 詩篇翻訳 / 詩篇註解 / 16世紀ヘブライ語学 / 16世紀フランス文学 / 詩学 / 16世紀ヘブライ語文献 / ジャン=アントワーヌ・ド・バイフ / ブレーズ・ド・ヴィジュネール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「聖なる言語」としてのヘブライ語の詩をめぐる学者・詩人たちの様々な考察や翻訳活動が、ルネサンス期フランスにおける「詩」の概念の形成と「俗語」であるフランス語による詩作活動にとっていかなる意義をもったかについて調査し、分析し、考察するものである。そのために、16世紀のヘブライ語・ユダヤ教文学関連諸文献を精査し、さらにヘブライ語の詩文テクストをフランス語へと翻案した作品群の分析を行う。そこには詩の翻訳をめぐる、さらには他者性の翻訳をめぐる深い問いが含まれており、フランス文学研究の狭い枠を超えて、広く文学と翻訳の問題を考察する上での興味深い事例を提供することになろう。
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研究成果の概要 |
本研究においてはまず16世紀フランスのヘブライ語学者たちがヘブライ語詩について論じた重要文献を丁寧に読み込み、そこに見られるヘブライ語詩の特殊性の理解について、とりわけギリシア・ラテン古典詩との共通性と差異の認識、そしてそこから生まれる新たな「詩」概念について考察した。さらにアントワーヌ・ド・バイフおよびブレーズ・ド・ヴィジュネールといった「ヘブライ的真理」にこだわる16世紀の博学な詩人による旧約聖書詩篇の翻案を分析し、それが単なる翻案・翻訳ではなく、実は極めて挑戦的な活動であり、詩の言語さらには詩の創作そのものにかかわる詩学上の重要な問いを深める場であったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の意義は、16世紀にフランスにおけるヘブライ語研究およびヘブライ詩研究について当時のヘブライ語学者の人脈や出版物を詳細にたどり、旧約聖書詩篇翻案の背景を先行研究に比べ遥かに広く深く明らかにしようとしている点である。S..ケスラー=メスギッシュやM.ジャヌレといった重要な先行研究が必ずしもカバーしていなかったヘブライ語詩関連の文献のリストを作成したこと、またジャン=メルシエやG.ジェネブラールといった学者たちによる中世ユダヤ学者の詩篇註解を用いることで、「ヘブライ的真理」にこだわりを見せたバイフやヴィジュネールといった博学な詩人の翻案の意義をより深く考察できるようなった。
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