研究課題/領域番号 |
19K00514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
宇戸 清治 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (30185053)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ターオ・フン。ターオ・チュアン / メコン河流域 / 英雄叙事詩 / ラオス古典文学 / 東南アジア文学 / ターオ・フン / ターオ・チュアン / メコ流域流域 / ターオ・フン、ターオ・チュアン / メコン川流域 / 叙事詩 / 神話的英雄譚 |
研究開始時の研究の概要 |
メコン川を挟んだタイ、ラオス、ミャンマー、雲南、ベトナムにまたがる地域に伝承する神話的英雄譚である叙事詩「ターオ・フン、ターオ・チュアン」物語の総合的な研究と翻訳。民族間の対立を越えた統合を理想とした叙事詩である。 これは、タイ族最初の国家であるスコータイの建国以前の11世紀にメコン川流域に勃興したタイ=ラオ族が、モン族、クメール族などの既存勢力に対抗しつつ、ラーンナータイ王国やラーンサーン王国を樹立するに至った激動の時代の作品で、文学的観点からも歴史学的観点からも極めて重要な作品である。 本研究では、「ターオ・フン、ターオ・チュアン」を日本で初めて総合的に研究し、併せて作品の日本語訳を刊行する。
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研究成果の概要 |
2019年からの2年間は、タイとラオスでの調査、学術交流、関連資料の収集、データバース作成で成果を得た。両国の研究者から情報と助力の提案を受け、今後の研究展望が開けた。2021年からの3年間はCovid-19のパンデミックにより調査や情報収集が困難となり、自らも感染したため研究の進展は僅かであった。さらに2022年には研究代表者が脊柱管狭窄症を発症し、研究活動が不能となった。リハビリ治療のため、調査やデスクワークを遂行できず、最終的には研究継続を断念した。収集済みの資料は日本の他の機関や個人の有するものを優に凌駕しており、研究代表者は将来も私費で研究を続け、成果を社会に発表する予定。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は研究代表者の発病によって完遂が中断された。以下では彼が将来的に研究を完遂したものと仮定した場合の学術的、社会的意義について記述する。日本ではこれまで東南アジア近現代文学の翻訳が民間基金や学術機関によって担われ、その点数は世界的に最も多い。その理由は日本と東南アジアとの地理的文化的近さ、日系企業の進出などにある。ただ、この地域の建国神話や宇宙論、古典文学の研究はようやく始まったばかりである。日本とこの地域の関係緊密化が予想される今日、ラオスで知られたTHTCの研究と翻訳という成果は両国間の相互理解と友好促進に寄与し、またそれを契機にアセアン地域の豊かな文化遺産への関心も高まるだろう。
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