研究課題/領域番号 |
19K00515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中島 淑恵 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (20293277)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ラフカディオ・ハーン / 比較文学 / 民間伝承 / ヘルン文庫 / 俳句 / 書き込み調査 / 蔵書 / クレオール / フランス文学 / 小泉八雲 |
研究開始時の研究の概要 |
富山大学附属図書館所蔵小泉八雲旧蔵書(ヘルン文庫)の中には、ラフカディオ・ハーン自身による書き込みが様々な箇所に認められる。本研究は、この中でもフランス語で書かれた本(洋書1350冊のうちの719冊)を中心に書き込み調査を行い、それらの書き込みがハーンの著作にどのように反映されているかについて考察を行うものである。これまでの研究で、ハーンの蔵書や書き込みの内容が、アメリカ時代の新聞のコラムのソースとなっていたことや、東京帝国大学での講義のもとになっていたことなどが判明しているが、本研究はさらに、ハーンがアメリカ時代の早い時期から関心を抱いていたフォークロア研究を中心に調査を行うものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、富山大学附属図書館所蔵小泉八雲旧蔵書(以下ヘルン文庫)の中でもフランス語で書かれた本(洋書1350冊のうちの719冊)を中心に書き込み調査を行い、それらの書き込みがハーンの著作にどのように反映されているかについて考察を行ったものである。本研究は本来、米国ヴァージニア大学に収蔵されているハーンの取材メモを中心に、マルティニークの民間伝承についてヘルン文庫に収蔵されている蔵書およびその書き込み調査を行う予定であったが、コロナ禍により海外渡航が不可能となった2年間にわたって、これまでに収集した資料とヘルン文庫の収蔵書の書き込み調査を中心とした研究に研究方針を変更せざるを得なかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の推進によって、ラフカディオ・ハーンが来日以前から当時成立しつつあった民俗学、すなわちフォークロアや伝承の学問的解明に関心があり、とりわけヘルン文庫に収蔵されているフランス語本にはヨーロッパ各地やフレンチ・クレオール地域の民俗学的な著作が多くみられることが分かった。また、これまでに収集・閲覧したハーンのメモ書きや書き込みから、ハーンの取材した当時のマルティニークの民話は、他のクレオール地域、たとえばモーリシャスなどに伝わる民話と似通っていたことにもハーンは意識的であったことが判明している。こうして獲得された手法は、やがて日本における伝承の調査にも応用されたものと考えられる。
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