研究課題/領域番号 |
19K00527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 国立音楽大学 |
研究代表者 |
宮谷 尚実 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (40386503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 句読法 / ドイツ文学 / 言語思想 / ハーマン / ゲーテ / ヘルダー / 多感主義 / 18世紀ドイツ語圏文学 / ドイツ語圏文学 / 18世紀ドイツ文学 / 若きウェルテルの悩み / 若きヴェルターの悩み / 18世紀ドイツ語圏 / 言語起源論 / 翻訳論 / 補助符号 / 約物 |
研究開始時の研究の概要 |
「18世紀後半多感主義のドイツ語圏の著作において文字の表記法や約物は感情を表現する独自の機能を持つのではないか」― これが本研究課題の核心をなす問いである。18世紀ドイツ語圏の多感主義における補助符号(Satzzeichen)の機能とその意義を明らかにし、その翻訳可能性を探ることが研究の目的である。特にハーマン、ヘルダー、ゲーテの著作を中心に、言語で語り得ない感情や息づかいや沈黙を記す手段としての句読法について考察する。本研究により、18世紀ドイツ語圏における文字の図像性に関する新たな知見が得られ、その翻訳可能性を探ることで日本語における句読法にも新たな視座を提供することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、18世紀ドイツ語圏の多感主義における広義の句読法、特に約物(やくもの、Satzzeichen)の機能とその意義を当時の思想や文化との関連で明らかにし、その翻訳可能性を探ることである。18世紀ドイツ語圏で活動したハーマン、ヘルダー、ゲーテの著作を中心に、言語で語り得ない感情や息づかいや沈黙を記す手段としての句読法を手稿段階に遡り、刊行物となるまでの変遷を調査分析した。その結果、多感主義にその源をもつその系譜が明らかになった。また、日本語への翻訳において原文の句読法をいかに反映させるか、その可能性を比較検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
音声と文字のはざまで過小評価されてしまう傾向のある句読法や符号にあえて注目し、文字の図像性を手段として文学や著作で表現された感情を浮き彫りにすることを試みた点に本研究の意義がある。日本語に関して句読法は、昭和21年3月に文部省が作成した「『くぎり符号の使い方』(案)」等に記載されたルールが適用されることが一般的であるが、本研究が翻訳可能性の問題に触れたことで句読法への新たな視座が提供できた。またドイツにおける最近の国語教育の影響でドイツ語母語話者にも正書法や句読法の軽視や混乱が多く見られる。本研究を国際的に発信することで、ドイツ語圏における正書法や句読法の再評価につながった。
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