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「放浪者」像の比較文学―-「アメリカ」的物語の文化政治学

研究課題

研究課題/領域番号 19K00529
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02050:文学一般関連
研究機関専修大学

研究代表者

中垣 恒太郎  専修大学, 文学部, 教授 (80350396)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードホーボー / ヒッピー / 放浪者 / 対抗文化 / 精神文化 / ヴァガボンド / ボヘミアン / 瘋癲 / 大衆文化 / 比較文化 / フーテン / 比較メディア
研究開始時の研究の概要

アメリカ大衆文化における「ホーボー」表象の変遷を探る。ホーボーは「渡り労働者」を指す言葉であり、世紀転換期から1930 年代にかけて労働環境の変化などを背景として社会現象と化していたが、1960年代以降の表象においては労働の描写が抹消され理想化された姿で復活を遂げる。19世紀中庸に出現する「放浪者」(tramp)との連関、映画やフォーク・ソングをめぐるメディア横断的視座、ヴァガボンド、ボヘミアン、瘋癲などの概念を参照し、アメリカ大衆文化における放浪者表象を比較文学の見地から展望する。現代の労働者たちの姿、中南米をはじめとする移民の視点にも目を向けることで分断が進むアメリカの現況と課題をも探る。

研究成果の概要

アメリカの広大な国土を移動する物語がアメリカ大衆文化の原風景を作り上げてきた。時に体制や規範に抗う放浪者たちの姿はアメリカの精神文化の支柱を成している。「ホーボー」は元来「渡り労働者」を指す言葉であり、世紀転換期から1930 年代にかけて、鉄道の拡張、テクノロジーの発展による労働環境の変化、不況を背景として社会現象と化していたが、1960年代以降の表象においては労働の描写が抹消され理想化された姿で復活を遂げる。19世紀中庸に出現する「放浪者」(tramp)との連関、ヴァガボンド、ボヘミアン、フラヌール、瘋癲などの概念をも参照し、アメリカ大衆文化における放浪者表象を比較文学の見地から展望する。

研究成果の学術的意義や社会的意義

21世紀現在も放浪者に対する憧れや理想が投影された物語が新たに生成され続ける一方で、グローバリズムの拡大に伴い、コーポレーション化が進む産業構造の中で、低コストを可能にする労働力として不法移民たちが機能している現実もある。「トレーラーハウス」と称される車に居住して生活を営む生活困窮者層は現在も一定数存在が確認されており社会問題と化している。連邦政府機関「移民・関税執行局」(ICA)による「不法移民」摘発を強化したトランプ政権の転換以降、移民労働者をめぐる状況も様変わりした。アメリカ大衆文化における放浪者表象を比較文学の見地から考察することにより、アメリカの社会構造上の問題も浮かび上がってくる。

報告書

(5件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (30件)

すべて 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 5件) 図書 (11件)

  • [雑誌論文] 「リアリティ TV」以降のドキュメンタリー表現の変容 ――モキュメンタリーにおける「リアリティ」の創出2022

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 雑誌名

      専修大学人文科学年報

      巻: 52 ページ: 23-46

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] トウェインをめぐるマルチメディア時代の大衆文化受容2021

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 雑誌名

      マーク・トウェイン――研究と批評

      巻: 20 ページ: 4-10

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] トウェインをめぐるマルチメディア時代の大衆文化受容2021

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 雑誌名

      マーク・トウェイン 研究と批評

      巻: 20 ページ: 4-10

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 民衆のたましい――アメリカ民衆文化の想像力と「普通のアメリカ人」の行方2019

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 雑誌名

      多民族研究

      巻: 12 ページ: 53-68

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] グラフィック・メディスン研究――「情報」と「情動」をつなぐ視覚表現メディア文化2019

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 雑誌名

      DNP文化振興財団 学術研究助成紀要

      巻: 2 ページ: 98-109

    • NAID

      40022284629

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Steinbeck’s Travelogues during the Early Cold War Years: A Look at the Common People in _A Russian Journal_ (1948)2023

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      Steinbeck and the Twenty-First Century: Reading, Teaching, Translating
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] “The Capital of the World”における「小説的?」技巧の探求2022

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      日本ヘミングウェイ協会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 「取り残された者」たちをめぐるアメリカの物語 ――プアホワイトの労働と生活は今どのように表象されているのか?2022

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      日本比較文学会第84回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Visualizing Mental Health via Medical Essay Manga: Connecting Personal Narratives with Social Inclusion2022

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      Graphic Medicine Annual Conference: (Re) Connecting
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Mark Twain as a Literary Anthropologist: _Letters from the Earth_ and Cultural Relativism2022

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      Elmira 2022: The 9th International Conference on the State of Mark Twain Studies
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 「文化」の捉え方 ――Vonnegutにおける人類学と文学的想像力の交点2022

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      日本アメリカ文学会第61回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 「放浪者たちのアメリカ――Tom Joadの亡霊たちの行方」2021

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      第93回日本英文学会全国大会シンポジウム「Labor Diaspora/Labor Mobility――アメリカ文学における移動と労働」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「『アメリカ人』概念の行方――『分断』の時代とプア・ホワイト層の表象」2021

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      欧米言語文化学会第13回年次大会シンポジウム「人種・民族」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] トウェインをめぐるマルチメディア時代の大衆文化受容2020

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      日本マーク・トウェイン協会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 放浪者像の比較文学――アメリカ大衆文化の原風景を探る2019

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      日本比較文学会東京支部1月例会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] Souls of People: Steinbeck’s Cultural Legacy in Japanese Popular Culture2019

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      Steinbeck and the Twenty-First Century: Identity, Influence, and Impact
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Visualizing Mental Illness and Gender/Sexual Identity in the Cultural Tendency of Japanese Medical Manga2019

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      Comics and Medicine in Brighton Conference
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] New Hollywoodの文化的遺産――アメリカン・ロード・ナラティヴの系譜2019

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      新英米文学会第50回大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 「時間旅行小説」としての『スローターハウス5』2019

    • 著者名/発表者名
      中垣 恒太郎
    • 学会等名
      日本アメリカ文学会東北支部12月例会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] アウリオン叢書『パンデミックの言説』(分担執筆)2022

    • 著者名/発表者名
      白百合女子大学言語・文化研究センター編
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      弘学社
    • ISBN
      9784866380209
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 『多次元のトピカーー英米の言語と文化』2022

    • 著者名/発表者名
      植月惠一郎・奥井裕・ 野村忠央・大森夕夏・加藤良浩・近藤直樹・藤原愛編(分担執筆)
    • 総ページ数
      636
    • 出版者
      金星堂
    • ISBN
      9784764712126
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 『日本の医療マンガ50年史』2021

    • 著者名/発表者名
      日本グラフィック・メディスン協会編(責任編集を担当)
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      SCICUS
    • ISBN
      9784866680187
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 『ハーレム・ルネサンスーー<ニュー・ニグロ>の文化社会批評』2021

    • 著者名/発表者名
      深瀬有希子・常山菜穂子・中垣恒太郎編
    • 総ページ数
      612
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750352299
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 『物語るちから――新しいアメリカの古典を読む』2021

    • 著者名/発表者名
      新・アメリカ文学の古典を読む会(分担執筆)
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      松籟社
    • ISBN
      9784879844101
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 物語るちから――新しいアメリカの古典を読む2021

    • 著者名/発表者名
      森有礼・中垣恒太郎・山口善成・水口陽子・森岡隆・渡辺真由美
    • 総ページ数
      267
    • 出版者
      松籟社
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] ハーレム・ルネサンスーー<ニュー・ニグロ>の文化社会批評2021

    • 著者名/発表者名
      深瀬有希子・常山菜穂子・中垣恒太郎編
    • 総ページ数
      580
    • 出版者
      明石書店
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 日本の医療マンガ50年史 -マンガの力で日本の医療をわかりやすくする2021

    • 著者名/発表者名
      日本グラフィック・メディスン協会(中垣恒太郎責任編集)
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      さいかす
    • ISBN
      9784866680187
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] スタインベックとともに 没後50周年記念論集2019

    • 著者名/発表者名
      中垣恒太郎、山内圭、久保田文、中島美智子編
    • 総ページ数
      419
    • 出版者
      大阪教育図書
    • ISBN
      9784271210573
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] ヒッピー世代の先覚者たち 対抗文化とアメリカの伝統2019

    • 著者名/発表者名
      中山悟視編、中垣恒太郎(分担執筆)
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      小鳥遊書房
    • ISBN
      9784909812193
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] アメリカ文学と映画2019

    • 著者名/発表者名
      杉野健太郎編、中垣恒太郎(分担執筆)
    • 総ページ数
      360
    • 出版者
      三修社
    • ISBN
      9784384059311
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-01-30  

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