研究課題/領域番号 |
19K00532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
中丸 禎子 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 准教授 (50609287)
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研究分担者 |
加藤 敦子 都留文科大学, 文学部, 教授 (40625448)
田中 琢三 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (50610945)
兼岡 理恵 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (70453735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 北欧 / ファシズム / キリスト教 / 近代 / ドイツ / 日本 / 日独交流 / 北欧受容 / ナショナリズム / 日本近代 / デンマーク / 内村鑑三 / 近代化 / スウェーデン / ハンブルク大学 / カール・フローレンツ / 芳賀矢一 / モーリス・バレス / 高畑勲 / 受容 / 歌舞伎 / お雇い外国人 |
研究開始時の研究の概要 |
明治・大正期に日独間で交換された思想・文化には、ナチズムの根拠となった「郷土芸術」「血と大地」が含まれると推察される。日本では「平和主義」のイメージが強いがドイツではナチ政権下で人気を博した北欧作家ラーゲルレーヴ、ラーゲルレーヴのドイツ語訳を日本で紹介し、ナチ協力により戦後に公職追放されたドイツのアジア思想学者グンデルト、グンデルトの訳で欧米に広まった内村鑑三、日本文学を翻訳・研究したドイツのお雇い外国人フローレンツ、「血と大地」と類似するフランスの「大地と死者」思想を考察する。 これらを通じ、ファシズム的な思想・文化の日独交流と、そこで「北欧」が果たした役割を多角的に研究する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は2023年度までを予定していたが、コロナ禍による海外渡航の不備などにより、最終年度を2024年度に延長した。 2023年度は翌年度の成果発表に向け、主に以下の2つの研究を実施した。 1つ目は、研究代表者・分担者の共編著『北欧とファシズム』(仮)の準備である。掲載論文の一部となる、兼岡理恵「ヴィルヘルム・グンデルトの日本研究 仏教の視座から」(『千葉大学大学院人文公共学府 研究プロジェクト報告書』第382集、pp. 61‐71) および中丸禎子「高橋健二版『デンマルク国の話』 戦争協力と「幸せな北欧」」(『比較文学』66号、pp. 63‐77)が雑誌掲載論文として公開された。また、代表者・分担者で運営するプロジェクト人魚研究会で、外部執筆予定者の中園成生(「「日本におけるキリスト教受容の振幅」第66回研究会/2023年4月29日)、分担者の田中(「モーリス・バレスとラインラント問題 ストラスブールのジャンヌ・ダルク像をめぐって」第70回研究会/2024年3月19日)による論集掲載予定のテーマに基づいた研究発表会を開催した。他の執筆予定者からも執筆内容の相談を経て要旨を収集して出版社を選定し、書籍の構成を決定した。 2つ目は、研究代表者の訳著書『巨人フィンの物語 北欧・日本 巨人研究の時空』(三弥井書店、2024年5月刊行予定)の準備である。スウェーデンの民間伝承のドイツ・日本への伝播を通じて研究課題に貢献する同書籍の刊行に向け、2023年9月に現地調査・資料収集、2023年度後期に執筆を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者・分担者の編著書『北欧とファシズム』(仮)については、コロナ禍、および成果発表の形式や構成の決定に際する困難から遅延が生じたものの、23年度の対策が功を奏し、現段階では成果発表の期日を設定し、それに向け順調に作業が進んでいる。 研究代表者の訳著書『巨人フィンの物語』は、本研究課題に申請中の2018年に資料収集を開始した課題の成果である。コロナ禍をはじめとする予定変更の過程で、本研究課題として実施した諸テーマや研究方法からヒントを得たことにより、研究成果を広く一般に還元する方法の着想を得た。2023年度中に校正段階まで進捗したため、順調な進展と言える。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の2024年度は『北欧とファシズム』(仮)刊行に向け準備を進めていく。本研究課題は、研究代表者の「近代日本とドイツ・北欧の思想・文化交流:北欧作家ラーゲルレーヴを中心に」(科研費国際共同研究加速基金(国際共同強化(A))の基課題である。同書籍への海外共同研究者の招聘、2025年度の海外共同研究者を招いての来日シンポジウムに向け、日本語での執筆・研究会と並行して、一部論文の英語訳、海外共同研究者との共同研究を実施する。
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