研究課題/領域番号 |
19K00534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
秋草 俊一郎 日本大学, 大学院総合社会情報研究科, 准教授 (70734896)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 世界文学 / 比較文学 / 出版 / 翻訳研究 / 正典 / 受容 / 文学全集 / 冷戦 / 翻訳 / ポリシステム / アメリカ文学 / ソヴィエト文学 / 日本文学 / ソフトパワー / 流通 |
研究開始時の研究の概要 |
日米露(ソ連)で「世界文学」を比較する。研究は三か国の「世界文学」関連の出版物を①イデオロギー②出版産業③教育の三つの観点から考察するというものである。それぞれに対してアーカイヴをふくめた調査を行い、コンテンツの内容だけではない比較検討を行う。また、それぞれの三つの観点に翻訳(者)がいかにかかわったかも調査する。
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研究成果の概要 |
本研究では世界文学全集の日米ソの比較対象研究をおこなった。具体的には、日米ソで世界文学という言葉がいかに用いられ、それが正典にいかに反映されたのかを世界文学全集の具体的調査によって明らかにした。結果として、それぞれの文化圏において、世界文学が出版や教育、イデオロギーの道具として用いられ、世界文学全集もまたその手段となったことが明らかになった。日本では世界文学は主に出版産業のスローガンとして大衆にうったえかけるキャッチフレーズになったのに対し、ソ連では多民族を束ねるイデオロギー的装置となった。アメリカでは世界文学は英語による学部教育を正当化するための方便として用いられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「世界文学」研究は、モレッティやカサノヴァによる再発見以降、とりわけ米国を中心に研究が興隆している分野である。研究代表者はこれまでもその紹介にモノグラフの翻訳などを通じて務めてきたが、本研究の完成をもって、日本における世界文学史や世界文学受容や、欧米の研究の相対化ふくめ、世界文学研究の基盤が完成したと言える。具体的には、日本における世界文学という言葉の流通、内容の変容や、世界文学キャノンの変化、ソ連におけるイデオロギー的な世界文学の創出などを剔抉した。
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