研究課題/領域番号 |
19K00539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 有限会社自然医科学研究所(実証システム国際研究センター) |
研究代表者 |
小山 昌宏 有限会社自然医科学研究所(実証システム国際研究センター), 実証システム国際研究センター, 研究員 (00644494)
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研究分担者 |
高橋 明彦 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (00264573)
小池 隆太 山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 教授 (00351734)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | comics / iconography / narratology / semiotics / morphology / ecological psychology / mereology / media studies |
研究開始時の研究の概要 |
マンガは視覚表現に基づくテキストの束である。しかしマンガをマンガたらしめる要素は視覚表現のみにあるわけではない。マンガ作品にはすべてなんらかの「語り」(物語)がこめられており、その物語特性について解明することが、マンガメディアの性質を理解する上では重要である。
本研究は、この画像表現からなるマンガテクストを、その物語表現特性と結ぶことにより、マンガ独自のメディア特性、すなわちマンガメディアの原理性を解明することを目的とする。画像を通して物語られ、物語を通して視覚化される、マンガ独自のメディア機能について解明をおこなうことは、視覚文化、物語文化研究の発展に大いに貢献するものである。
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研究成果の概要 |
本研究は物語マンガのメディア成立条件について、図像表現面、物語研究両面から追究することにより、マンガ「表現論」と「物語論」の統合の後、マンガメディアの機能解明をおこなうことを目的とした。 その研究過程は、まずコマ割り論の深化、次に表現論と物語論を接続する方法、さらに描画態である物語マンガが読まれるための機動因の究明、最後に最終的に物語マンガがメディアとして成立する条件の明白化の順を踏んだ。結果として、あらたな描画の生態とコマ割りとの関係性、表現論と物語論の接続方法としての生態論の意義、描画態と言語態の「中間語」である「内語」の役割が明白化され、各観点によるマンガメディアの解明が進んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本のポップカルチャーにおいて中心的役割を担うマンガのメディア特性について考究した。それはかつて低俗、幼稚、教育の敵とされたマンガが「世界」のマンガとして認知されるに至った要因を、テクストそのもののなかに探り明らかにするものである。 それは、ただ日本マンガの世界市場拡大、価値ある文化として認められた現状を再確認するだけのものではなく、物語マンガが読者に読まれ続けてゆくための潜在力、すなわちメディアとしての「自己生成性」と読者の「自己修習性」の親和性、適用性を明らかにするものであった。その解明は広くマンガ文化を根底から支える基礎となり、マンガの社会的役割の認識深化につながるものである。
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