研究課題/領域番号 |
19K00542
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
西山 國雄 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (70302320)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 複合語 / 述語 / 目的語 / 付加詞 / 形態論 / 統語論 / 動詞連続構文 / 丁寧形 / 音韻論 / 編入 / 範疇 / 連濁 / イベント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では日本語における、述語を含む複合語の構造と派生について、名詞、形容詞、動詞の3つの統語範疇にまたがった総合的研究を行う。名詞は「立ち読み/本読み」のような動詞由来複合語、形容詞は「欲深い」などの主語が編入した複合語、動詞は「押し倒す」のような複合語が対象となる。述語が統語構造の中でどのような位置を占め、項をどう認可するかという一般統語理論と、語根がどのように範疇化されるかという形態理論を用いて、3つの範疇の複合語の構造と派生の共通点と相違点を明らかにして、一般言語理論への貢献を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では日本語における、述語を含む複合語の構造と派生について、名詞、形容詞、動詞の3つの統語範疇にまたがった総合的研究を行った。動詞由来の複合名詞は、左要素が目的語か付加詞かで統語構造が異なり、前者は右要素が最初に動詞化している。複合形容詞については、日本語の「欲深い」と英語のoil-richの意味的平行性に着目し、統語的に平行に分析をした。「ない」を含む複雑形容詞については、文法化と語彙化の区別を精密して、言語変化の段階の違いと様々な統語的振る舞いの差を捉えた。丁寧形の分析についても、品詞により形態素やその順序が異なるので、動詞と形容詞の構造の違いの理解に寄与した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで述語を含む複合語の研究は語彙的な分析が中心だったが、統語的分析を推進することにより、複合語と統語原理の関係に新たな光を当てられた。述語が統語構造の中でどのような位置を占め、項をどう認可するかという統語理論と、語根がどのように範疇化されるかという形態理論を用いて、語彙範疇の共時的出現に加えて、通時的にも範疇がいかに出現して(「ない」を含む複雑形容詞の場合)、そして消滅するか(複合動詞と動詞連続構文の)について、広い視点で捉えることができた。
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