研究課題/領域番号 |
19K00543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2023) 東京外国語大学 (2020) 筑波大学 (2019) |
研究代表者 |
白井 聡子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 講師 (70372555)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ダパ語 / 危機言語 / 現地調査 / 言語地図 / 国際連携 / 記述言語学 / 地理言語学 / 方言 |
研究開始時の研究の概要 |
ダパ語は中国西南部の少数民族地帯において約8千人の人々によって話される言語である。書記体系はない。近年、ダム建設による移住や急速な漢語化など、社会的環境変化に伴い、消滅の危機に瀕している。一部の方言については、語彙集や文法概説など部分的な研究がなされているものの、文法の全容を記述した文法書や、全方言を視野に入れた方言資料集などは存在しない。ダパ語とはどのような言語か、それを明らかにするには、今、十分な調査研究を実施する必要がある。本研究課題は、ダパ語方言資料のドキュメンテーション、文法の包括的記述、方言分布の歴史的形成過程の検討を行い、ダパ語の全体像を明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
このプロジェクトは、過去に十分な記述がなかったダパ語の諸方言の実情を初めて明らかにした。まずダパ語方言の現地調査を行い、ドキュメンテーションを進めた。一次資料と二次資料を含む15方言のデータについて対象語彙集を作成した。これらのデータに基づいた地理言語学的分析を行い、ダパ語の方言群が北部、中部、南部の三つに分類でき、かつ、それらが方言連続体をなしていることを具体的に示した。さらに、メト方言について一次資料を用いて記述的研究を進めた。特に、主題化、体言化、人魚構文、証拠性、否定、方向接辞などについて詳細な分析を行った。これらの成果は学会発表、学術論文の形で公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ダパ語は消滅の危機に瀕する言語の一つだが、過去に十分な研究がされていなかった。このプロジェクトでは多くの方言を初めて調査し、その方言の話される場所と語形式を分析することにより、方言区分とその形成過程を明らかにした。このことは、言語文化の多様性の記録という重要な意義がある。また、方言形成過程を明らかにしたことで、歴史的研究にも寄与する。 さらに、このプロジェクトではダパ語メト方言の文法現象を詳しく分析した。これは言語文化の多様性の詳細な記録につながるとともに、人間言語の特性を明らかにしようとする言語類型論の研究および広域の地理的分布から言語特徴の広がりの歴史を研究する地理言語学的研究に寄与する。
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