研究課題/領域番号 |
19K00545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 聖子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70165330)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 語用標識(化) / 談話標識(化) / 構文化・文法化 / 条件構文 / 脱従属化(insubordination) / 構文彙 (construct-i-con) / 左方周辺部・右方周辺部 / 接続構文 / 脱従属化 (insubordination) / 構文・用法基盤アプローチ / 間主観性・相互行為 / 語用標識(化) / 談話標識(化) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、談話における接続・条件構文の使用を実データに基づき分析し、(1)その左方周辺部(発話頭・文頭)および右方周辺部(発話末・文末)での用法の形式・意味・機能を明らかにし、(2)その構文化・文法化や語彙化・脱文法化や脱従属化(insubordination)、語用標識化・談話標識化等動態諸相を浮き彫りにすること、(3)それら動態諸相の類型とメカニズムを、構文的特質、主体性・認知的過程,および、談話展開や間主観的相互行為過程等複合的観点から解明しモデル化する。そのため、構文理論・認知言語学・相互行為言語学・(歴史)語用論・認知科学の理論・知見・手法を援用し融合する新たな構文・用法依拠アプローチをとる。
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研究実績の概要 |
本研究課題の研究計画にそって、2022年度も引き続き、談話における接続構文の使用を分析し、 (1) その左方周辺部(発話頭)および 右方周辺部(発話末)での用法の形式・意味・機能、および、(2)その構文化・文法化や語彙化・脱文法化や脱従属化(insubordination)、語用標識化・談話標識化等動態諸相をを明らかにするための研究を進めた。とりわけ、脱従属化構文と複文とその中間的構文とを包括的に捉える構文彙 (construct-i-con) の分析に着目し、子供の第一言語獲得におけるこれらの構文の習得の分析に関する論文が刊行された (Fujii 2022)。 また、HPSG国際学会2022 (the 29th International Conference on Head-Driven Phrase Structure Grammar)での招待講演の要請をいただき “Idiomaticity and regularity in grammatical constructions: What can we learn from the clause-linking construct-i-con?”という題目で、文法構文の慣用性と一般性・規則性に関して、本研究課題での分析対象である条件構文の構文彙の事例研究の成果に基づく論考・総説を提示した。 さらに、次年度にドイツで開催される国際認知言語学会において, メンタル・スペース理論から 視点(viewpoint) を主にに分析するテーマセッションを提案する国際チームの共同活動に参画し、本研究課題の分析、特に脱従属(insubordination)構文が他の埋め込み構文と併せて複合的に重ねられ(言語使用者の)視点が複合的に表出される英語・日本語の構文の分析を投稿し、テーマセッション・発表論文ともに採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度に予定していた米国での共同研究・資料収集や研究会のための海外出張を、COVID-19感染拡大状況による渡航制限のため(また, 校務や論文指導等を優先するために)、左記状況が改善すると見込まれる次年度に延期せざるをえなかった。また、データ分析のためのコーパスデータ(2022年公開)の入手やデータセットのファイル抽出・整え等拡張データの準備・整備に日数を要した。左記データを用いた若手研究者(研究協力者)とのデータ分析等共同研究計画も、左記データ取得・準備やCOVID-19感染拡大状況やその他関係者状況等に鑑み繰越が適切であり必要であった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の焦点項目の中では、右方周辺部の語用標識(化)の分析や脱従属化(insubordination)構文と複文の構文彙に関する分析に加えて、左方周辺部(発話頭・文頭)の語用標識(化)の分析にも注力する。また、子供の言語使用・言語発達における脱従属化構文と複文の構文彙の分析を、新たなデータを用いて継続する。あわせて、成人の大規模日常会話コーパスにもデータ対象を広げて定量的な分析も拡張したい。さらに、それぞれの研究目的・研究問題において焦点をあてた事例分析の考察や分析を拡張・統合しつつモデル化もめざしたい。翌年度(以降)も海外で開催される国際学会や研究会でこれらの発表が(採択され)予定されている。
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