研究課題/領域番号 |
19K00559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
浅田 裕子 昭和女子大学, グローバルビジネス学部, 准教授 (10735476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 日本手話 / 統辞論 / 複合語 / 複合述部 / 分散形態論 / 統語論 / 結果構文 / 連濁 / 等位構造 / 付加構造 / 非対称分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本手話における複合述部の特性を記述的に明らかにし、その統語構造について従来研究で提案されている(非)対称仮説の妥当性を検証することを目的とする。「食べ歩く」のような複合述部の派生は、統語部門において二つの句の対称的併合操作から始まるが、音韻的にはどちらか一方の句を非対称的に先行させ、外在化せざるを得ない。手話言語ではそのような音韻制約がいつも働くとは限らず、構造対称性の検証には理想的であるが、日本手話の複合述部についての体系的研究は少ない。本研究は音声言語では検証することができない複合述部の特性を明らかにすることで、二つの句の対称性問題の本質解明などへの理論的寄与を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、母語話者の協力の下、日本手話における複合述部の音韻・統辞・意味特性を体系的に調査し、記述された特性を導く統辞分析に取り組んだ。具体的には、以下の4つの現象を研究対象とし、同時調音・非利き手の保持など手話言語特有の音韻特性を検証しながら、音声言語における従来研究も視野に入れ、分散形態論の枠組みで、調査で得られた複合語・結果構文の特性を人間言語の構造から説明する分析を構築した。 1.日本手話の(動詞由来)複合語;2.アメリカ手話・日本手話における限定複合語の語順と音韻; 3.諸手話言語で観察されている複合動詞の他動性調和原則(影山1993)違反; 4.主要部後続型手話言語の結果構文
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、従来研究で進んでいなかった日本手話複合語の特性を体系的に調査し、音声言語研究ではよく知られている複合語類型の三タイプ(並列・限定・従属)が異なる音韻特性を示すことを明らかにした。これは手話言語研究において初めて確認された事実である。更に、本研究では、この音韻特性の違いが音声日本語の複合語三タイプの音韻特性の違いと類似していることを指摘し、手話と音声というモダリティの差異を越えた人間言語の複合語特性を包括的に導く分析を提示した。次に結果構文の研究では、動詞と結果述部の語順の問題を手話言語特有の言語処理要因に帰す分析をもって説明し、複数の手話言語の結果構文の解明に貢献した。
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