研究課題/領域番号 |
19K00569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
藤井 友比呂 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (40513651)
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研究分担者 |
田村 直良 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (20179906)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 刺激の貧困 / 文法獲得 / 間接証拠 / 句構造規則 / パラメタ設定 |
研究開始時の研究の概要 |
言語理論において、母語話者が身につけている文法原理には生まれながらにして学習者に備わっている部分があるという主張がある。「刺激の貧困」の手法は、その生得的知識を、その学習者が経験する言語データと成人母語話者の文法の差分から推定しようとする研究手法である 。同手法は、誤った仮説で、学習者が経験するデータだけからは誤っていることが分からないような仮説を見出し、その仮説を原理的に排除できるような初期状態を提案することで、文法の生得的知識を解明しようとする。本研究は、パラメタ設定の分野で用いられる学習モデルの手法を活用して「刺激の貧困」の手法を洗練し、適用範囲を拡大することを目指す。
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研究成果の概要 |
研究期間内においては主に2つの成果があった。日本語の疑問詞は生起できる環境によって大きく2つに分かれるが、それが入力データから推定できるかどうかを対子供発話における出現頻度を用いて調べた(藤井 2019)。結果は、学習者は、出現頻度だけに頼っていては、ダレの出現について実際よりも狭いとする仮説に至ることを示唆する結果となった。もう1つは日本語の句構造獲得について、同じ単語列を生成する異なる句構造文法を区別するという問題について、仮説の単純性とデータとの適合度のバランスを考えるアプローチを提供する考え方の準備的な研究を行った(Fujii and Yamashita 2021)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学習者に与えられるデータと学習者が最終的に達成する文法知識に差分があるかという問いは、言語学を超えて、さまざまな分野の研究者の関心を呼んできたと思われるが、そのこととは対象的に、具体的なケーススタディが年々積み上がっているとは言えないと思われるし、また、英語以外の言語の具体的な文法知識がこの問いの関連で盛んに探求されてきたという状況にもないように思われる。その上で、本課題で遂行した日本語のwh疑問文の獲得研究やSOV言語の文構造研究は、貢献があると考える。
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