研究課題/領域番号 |
19K00579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
原田 なをみ 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (10374109)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日本手話 / 統語論 / 線形化 / 手話言語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では音声言語と手話言語というモダリティの異なる二種の言語の線形化における特徴を明らかにする。文の構造は多次元的なものであるが、音声言語の場合はモダリティの制約上発音の際には構造内の構成素を線形化する必要がある。手話言語の場合二つの要素の間の語順決定が義務的でないことが予測されるが、実際は手形表出において線形化は義務的である。本研究では一見線形化の制限が少なく見える手話言語も発話の際には音声言語と同じ制約に従い、二言語間で大きく異なるモダリティが顕示化する発話の領域でも差異は非常に小さいことを示し、種の特性としての言語知識の理論(普遍文法)に手形モダリティを用いる言語の分析から貢献をする。
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研究成果の概要 |
本研究では、音声言語と手話言語という、モダリティの異なる二種類の言語の線形化における違いを明らかにすることを目標とした。文の構造(統語構造)は 多次元的なものであるが、発音の際には構造内の構成素を線形化(一次元化) するという音声モダリティに依拠しない手話言語の場合、 統語構造の線形化において一次元化の制約がないため二つの要素の間の語順決定が義務的でないことが予測される。しかし実際は予測に反して、手話言語の手形表出の際には線形化は義務的である。既存のデータの詳細な再分析を通して線形一致の公理(Linear Correspondence Axiom)の手話言語のへの適用について新たな知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、音声言語と手話言語という、モダリティの異なる二種類の言語の線形化における違いを明らかにすることを目標とした。手話言語は音声言語と異なり、右手と左手、あるいは手形と非手指表現(頭や眉の位置など)というように文構造内の複数の要素を同時に表出することが理論的には可能である。しかし実際のデータを分析してみると、左右の手で異なる形を表出するといったケースはほとんどなく、片手で表出可能な手形でも順番をつけて1つずつ表出されることが判明した。この分析に基づき、手話言語では、線形一致の公理(Linear Correspondence Axiom)は他動性と全体性のみ関与するという提案をした。
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