研究課題/領域番号 |
19K00583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
高田 博行 学習院大学, 文学部, 教授 (80127331)
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研究分担者 |
川喜田 敦子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80396837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ナチズム / 報道文 / スローガン / プロパガンダ / 政治的言語 / 宣伝省 / ナチドイツ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ナチドイツ・宣伝省による報道統制の実態を、言語学と歴史学の協働により解明する。報道の「内容」(なにを?)ではなく、報道の「形式」(どのように?)に関する統制のほうに注目し、開戦前と開戦後等の時期ごとに報道文における言語形式(言語使用)にどのような傾向性があるのかを、コーパス言語学の手法で量的に抽出するとともに、修辞学(スローガン分析を含む)の観点から質的にも分析する。そのうえで、報道文(新聞)における言語形式の通時的変化が宣伝省の言語統制方針の変遷と一致するのかについて検討し、言語統制の影響力について最終的に考察する。
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研究成果の概要 |
宣伝省の報道方針には、対比法、平行法、メタファー、誇大語法、婉曲法などの修辞学的手法が組み合わせられたいくつかの類型(隠蔽、幻惑、誘導)が区別できた。宣伝省の方針と実際の新聞記事(作成したコーパス)との照合を試みた結果、方針が記事に反映された事例が多く確認された(例えば Frieden「平和」という語を慎しむべしという方針)が、新聞編集部が宣伝省の意を必ずしも汲まなかった事例(例えば Lebensraum「生存圏」をめぐる方針)も少なからず見いだされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ナチドイツの報道統制のなかでも言語表現に関する統制、つまり「言語統制」に注目した。それは、宣伝省の報道会議において方針決定された報道の「内容」(なにを?)に関する統制ではなく、報道の「形式」(どのように?)に関する統制のほうに注目するという意味である。本研究は究極的には、統制された言語表現を前にして情報を見分け聞き分けるためのリテラシーに迫ろうとするものである。
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