研究課題/領域番号 |
19K00584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
杉山 由希子 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (70525112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日本語ピッチアクセント / cue weighting / 韻律 / 音声産出 / 音声知覚 / 日本語 / ピッチアクセント / 単語韻律 / 二次的音響特徴 / 二次元的音響特徴 / 音響的多次元性 / 頑健性 |
研究開始時の研究の概要 |
日本語の単語韻律はピッチアクセントという特徴を持ち、物理的には主に音の高低(基本周波数)で実現されるが、それ以外の音響特徴については具体的なことは分かっていない。一方、日本語以外では、音声の区別には複数の音響特徴が関与していることが分かっている。本研究では、1)アクセント型、2)発声法、3)母音の無声化、が日本語ピッチアクセントの音響特徴や聞き取りに与える影響を網羅的に検証し、日本語ピッチアクセントのもつ音響特徴を定量的に同定する。分類が難しいとされる日本語の単語韻律の詳細が明らかになると、研究の進んでいる他言語との比較が可能となり、音声言語の普遍性と個別性の解明に寄与することができる。
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研究実績の概要 |
本研究は、音韻情報の冗長性やそれによって担保される音声コミュニケーションの頑健性に注目しがら、日本語(ここで日本語という場合には、全て東京方言を指すものとする)の単語韻律の音響特徴を同定することを目的としている。具体的に検証する問いは、次の3点である。 1)単語のアクセント型の違いは、日本語ピッチアクセントの微細な音響特徴にどのような影響を与えるか、2)日本語話者はピッチアクセントのどのような音響特徴を用いて単語を聴取するか、3)母音無声化の起こる音韻環境と起こらない音韻環境では、日本語ピッチアクセントの音響特徴はどのように異なり、また、母音の無声化は聴取にどのような影響を与えるか。ひいては、母音の無声化が起こる場合と起こらない場合では、日本語ピッチアクセントの表象(representation)は異なるか。2021年にthe Journal of the Acoustical Society of Americaに掲載された論文の内容を更に追究するための研究を実施するにあたり、本年度は、8月に共同研究者のひとりがいるニュージーランドに渡航し、綿密な打ち合わせを行った。実験でどのような単語、キャリア文を用いるかなど具体的な実験のデザインについて議論し、決定した。それに基づき、11月にはプロのナレーターに依頼して、実験で用いる音声を録音した。録音終了後は、録音した音声が予想したものであるか、全体的に一貫性のあるものかどうかなどを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学の業務にかなりの時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、11月に録音した音声を用いて、実験で参加者に提示する音声を作成する。また、実際に実験を実施するプログラムを作成する。1回の実験は1人あたり1時間から1時間30分くらいが目安であるため、その時間に収まるように音声刺激の数や、同じ音声を何度提示するかなど、細部を決める。ひととおりプログラムが完成したら、まずは予備実験を行い予想した結果が得られているかやプログラムに問題がないかなどを検証し、問題がないようであれば本実験を行う。
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