研究課題/領域番号 |
19K00589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
衣畑 智秀 福岡大学, 人文学部, 教授 (80551928)
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研究分担者 |
林 由華 岡山大学, グローバル人材研究院, 講師 (90744483)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 指示詞 / 日琉祖語 / 琉球諸方言 / 上代日本語 / 直示 / 照応 / 奄美湯湾方言 / 八重山黒島方言 / 琉球諸語 / 中古日本語 / 琉球祖語 / 上代語 / 中古語 |
研究開始時の研究の概要 |
琉球諸方言には二系列の指示詞を持つ方言と三系列の指示詞を持つ方言が存在する。しかし、それぞれの指示体系の実態がどのようなものか、また二系列指示体系と三系列指示体系がどのような歴史的関係にあるのかは明らかになっていない。本研究では琉球諸方言の指示体系について、直示用法・照応用法の調査を行い、その実態を明らかにするとともに、どのような祖体系からそれぞれの方言が変化してきたのかを明らかにする。また、そこで得られた琉球祖語の祖体系を古代日本語の指示体系と比較することにより、日本語と琉球語の祖語(日琉祖語)の指示体系にも迫っていく。
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研究成果の概要 |
琉球諸方言には二系列の指示詞を持つ方言と三系列の指示詞を持つ方言が存在する。この背景として、直示に二系列、照応に一系列の指示体系が想定されるが、1)そのような指示体系は琉球諸方言に存在するのか、2)琉球諸方言の指示体系にはどのようなものがあるのか、3)古代日本語の指示体系とはどう関係し、4)日琉の祖語にはどのような指示体系が想定されるか、を追究した。その結果、上の体系は、1)宮古語伊良部方言だけでなく、2)南琉球にも近いものが確認され、3)古代日本語とも共通するため日琉祖語に遡る可能性があり、4)日琉祖語には直示に*ko-、*ka-、照応に*so-が再建されることを実証的に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの琉球諸方言の指示詞の研究は、語形の記述とその直示用法を対象としたものがほとんどであった。よって、照応用法も含めた琉球諸方言の総合的な指示詞研究はほとんどなされていなかった。また、古代日本語の研究も日本語史の問題として扱われるのみで、琉球諸方言の指示体系との関係で論じられることはほとんどなかった。本研究では、琉球諸方言の記述をもとに、琉球祖語や日琉祖語の指示体系に迫って行く点に、学術的意義がある。また、日琉の祖語を解明しようとする試みは、これまで主に音韻論の分野が中心であり、本研究のように、文法体系からのアプローチが少ない点でも、研究の意義があると考えられる。
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