研究課題/領域番号 |
19K00595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田口 善久 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (10291303)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミャオ語 / 文法化 / 目的性 / 使役移動 / 感覚表出 / 獲得動詞 / 文法記述 / 言語類型 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ミャオ語系諸言語の文法について,言語類型論的情報を収集・整理するとともに,それに基づいてミャオ語系諸語の文法の過去の姿を究明しようとするものである。ミャオ系諸語は,ミエン語系諸語とともにミャオ・ヤオ語族をなすが,世界の諸語族の中でも共時的記述において遅れている言語群である。本研究が着目するのは,ミャオ語系諸言語間の文法的差異であり,これは言語類型論的に有意味であるほど大きい。その詳細を明らかにできれば,言語類型論に大きな貢献をなすことが期待できる。このことを,申請者が蓄積してきたデータと海外共同研究者との協力によって明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度は、主として動詞に関する研究である、take義動詞の文法化について及び動詞の目的性を示す接辞について研究し、発表した。前者については、フメー語におけるmmiA(/mm/は声門閉鎖音で始まる両唇鼻音)が形成する「与える」義を表す構文と「置く」義を表す構文の用法とその形成過程について考察した。フメー語のmmiAと他のミャオ諸語の比較により、これがtake義を表す動詞であったこと、現在の用法が「動作の対象項」「道具項」を目的語としてとるなど、一般的なtake義動詞の文法化の道筋と一致することから、元来はtake義動詞であったことを示した。そこから、受け手を示す前置詞的成分と着点を示す前置詞的成分と共起して構文を作り、それぞれ「与える」と「置く」を表すようになったものと考えた。 後者については、動詞連続において、2番目の動詞に制御不可能動詞が来る場合に、フメー語ではszB-という接頭辞をこの動詞に付加して、「~するように」という目的性を表す構文を形成する。これは、2番めの動詞が表す動作の結果を目的として提示するとともに、Irrealisなものとして提示する機能を持つ。この研究では、この接尾辞の形態統語的特徴と機能について詳細に記述した。 また、これ以外に本年は、データの整備としてテキストの出版に向けた作業も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの蔓延により、現地の言語コンサルタント、中国の協力者との面談による研究が完全に停止し、それにより大きな影響を受けた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、新型コロナウィルスの影響が収まりつつあるので、現地に赴き、言語コンサルタント及び協力者との面談を再開する予定である。それにより当初の予定としている課題について成果を出したいと考えている。
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