研究課題/領域番号 |
19K00596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
若狭 基道 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (30436670)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ウォライタ語 / カンバタ語 / 音配列規則 / 動名詞 / 話法 / アムハラ語の動詞の活用 / 基礎語彙 / エチオピア / ガモ語 / 方言 / アフロアジア大語族 |
研究開始時の研究の概要 |
アフリカのエチオピアの南西部に実際に行き、言葉を調べる。その地域にはあまりよく知られていない、分かっていない言語・方言が沢山あるが、直接ネイティブ話者に質問する方法でそれらの言葉の仕組みを明らかにする。また、それらの言葉が実際に使われている現場も観察する。 そうして得られた資料をもとに、それらの言葉の過去の状態の復元を試みる。
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研究実績の概要 |
昨年度、各種文献を用いて、主なクシ系・オモ系の言語(多くはウォライタ語地域の周辺で話されている言語である)の音配列規則、具体的には語の初頭音に関する頻度の調査を行ったが、2022年度も同様の調査を引き続き行い充実させ、地図の形にまとめた。これにより、系統関係よりも地理的関係の方が重要な要因となっていることを明らかにした。この成果は、2022年5月に学会で概要を報告した。そこで得られたコメント等を利用し、2023年3月には論文の形で成果を公表した。 また、昨年度以来、過去に録音したウォライタ語の基礎語彙調査の資料の分析を進めているが、それを通じて動名詞の形成法に何種類かある点、及び動名詞は語彙調査では現れるが実際の敵捨てでの出現例が少ない点を明らかにした。これらの成果は、2022年10月に研究会で報告した。 その後、過去に収集したクシ系言語であるカンバタ語の話法に関するデータを再検討した。また、書かれた資料を基にして、セム系言語であるアムハラ語の話法に関しても調査を行った。更には、他のアフロアジア諸言語に関する情報を若干ではあるが、文献で補った。その結果、アフロアジア諸言語では直接・間接混合話法が用いられるが、その頻度や性質に違いが見られるらしいことが見えて来た。この成果は2023年2月に研究会で報告した。 その他、エチオピアで共通語として広く用いられているアムハラ語の動詞の活用についても学会発表を行った。これは社会言語学的な観点からウォライタ語やその他の言語を論じる上での準備作業でもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
エチオピアでフィールドワークを行い、新たな資料を収集すると共に疑問点を解明するのが本研究の中心であったが、世界的なコロナ禍により渡航を断念せざるを得なかった。尚、渡航自体は不可能ではなかったが、本研究の調査では室内で話者の口の動き等を詳細に観察することが必須なため、渡航を見送った。
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今後の研究の推進方策 |
コロナも以前ほど問題とならなくなって来たので、政情等の安定を充分に確認してから現地調査を再開する予定である。具体的には2023年の夏にエチオピアに渡航することを予定している。それまでは国内で、収集した資料の整理を行うことになる。
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