研究課題/領域番号 |
19K00600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
安藤 智子 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (00345547)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 東濃方言 / プロソディ / 接続助詞 / 終助詞 / イントネーション / 順接 / 方言 / 岐阜県 / 韻律 / 文法 / リズム / 岐阜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、東日本方言と西日本方言の混じりあう東濃(岐阜県美濃地方東部)西部の方言の位置づけを明確にする試みの一つとして、当該方言の自然な発話におけるリズム、イントネーションといった音声的特徴を明らかにする。すでにこれまでの取り組みによって、文の初めの音が長めに発音される条件や、文の初めのイントネーションの上昇が遅めになることを明らかにしてきたが、さらにこれらの現象が文の他の位置に及ぼす影響や、感情的な発話における変異を分析する。また、これと並行して、年齢・地域による多様性など、社会言語学的調査を行い、東濃西部方言の総合的記述を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、東日本方言と西日本方言の混じりあう東濃(岐阜県美濃地方東部)西部の方言の位置づけを明確にする試みとして行われたものである。その成果として、談話音声資料の分析により、(1)文初頭におけるリズムとイントネーションの特性、(2)「ン」「ー」といった特殊拍がアクセントの下がり目になる条件を明らかにした。さらに、オンラインアンケートに基づき、(3)接続助詞「ニ」の原因・理由を表す順接用法、(4)特定のイントネーションを伴う終助詞「ヨ」の「勧め」としての用法の現状を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インターネットを含むマスメディアの隆盛や交通機関の至便化に伴い、現代の日本では各地の方言が共通語化の波にさらされ、変容し、衰退しつつあるが、このことは、言語および言語に支えられる文化の多様性の衰退につながるものであり、地域方言の記録は急務の課題である。本研究は、言語的特徴を話者自身が自覚しにくい東濃方言を取りあげるものであり、社会的意義としては、方言の記録・保存を行うとともに、市民の言語意識の醸成に寄与する。また、言語研究における学術的意義としては、方言区画の境界に位置する一小方言のデータを提供することにより、方言の動態に関するデータの蓄積および記述・分析に寄与するものである。
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