研究課題/領域番号 |
19K00603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
守田 貴弘 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (00588238)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 認知言語学 / 捉え方 / 類型論 / ダイクシス / 主体性 / 客体性 / ジェスチャー / 文法化 / 主観性・客体性 / 認知文法 / 日本語 / フランス語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,直示動詞を使った話者領域の表示に関して,日本語話者とフランス語話者の間で認識論的な相違があるかどうかを明らかにすることを目的とする.この目的のため,(i)フランス語の直示動詞が日本語の直示動詞と同等の話し手領域を表示する能力を持っているかどうかを実験的手法により検証することで,特定の形式で表現されうる捉え方の範囲を解明し,(ii) 認知言語学における「捉え方」概念を精査し,(i)の結果を分析する際に言語間で表現形式や頻度頻度が異なっても事態に対する捉え方が共通する可能性を探求することで,極端な相対主義を拒否しながら認知言語学を類型論に適用する方法を提案する.
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研究成果の概要 |
ビデオ映像を用いた発話実験によって発話データおよびジェスチャーデータを収集し,言語表現およびジェスチャー表現の主体性/客体性を分析することにより,認知言語学における「言語表現が異なれば捉え方も異なる」というテーゼに反して,「言語表現が異なっていても捉え方が同じこともありえる」ことを示した.これにより,極端な相対主義を引き起こすことなく,認知言語学における深い意味分析のレベルを類型論に適用する見通しを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知言語学は,言語表現をもとに,その話者がどのように世界を理解しているのかを説明しようとする試みである一方で,類型論を視野に入れるとき,言語構造からその話者の認識まで規定することにつながる危険性も孕んでいる.本研究の結果は相対主義を避けながら類型論を志向するものである一方で,より一般的には,言語形式と意味の対応関係をどのように考えるのが適切なのかという問いにも及ぶものであり,さらなる実証的研究だけではなく,言語哲学にも開かれた成果となっている.
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