公共空間でのアナウンスは、受信者が必要な情報を瞬時に理解できなければその効果が発揮されない。よって、この種の表現には不要な情報を省略または簡略して構成する簡潔性が求められるが、受信者に配慮した表現でなければコミュニケーションの成立に支障をきたすことになる。本研究では公共空間でこの言語現象がどのように表れるのか、表現の簡潔性とコミュミケーションの効率性の関係、その関係を支える発話主体間(発信者・受信者)の調整機能を明らかにする。さらに、日本語とフランス語の事例の対照から、各言語の簡潔性の特徴や言語の簡潔性が各社会で対話場面に応じて発揮する効果について検証する。
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