研究課題/領域番号 |
19K00620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
郡 千寿子 弘前大学, 教育学部, 教授 (50312476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 往来物 / 山陰地域 / 言語文化 / 教育環境 / 海域交流 / 北前船 / 出版文化 / 日本語史 / 言語生活 / 山陰 / 教育背景 / 地域性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本語史資料として注目されてこなかった往来物を活用し、海域文化交流という視点から、地域間相互の影響関係、日本語変遷とその要因、言語文化の受容と伝播を解明することである。 補助事業期間には、山陰地域の往来物に焦点を絞って、書誌文献学的調査を実施し、目的別・出版地域別に分類整理する。鳥取、島根、山口の地域ごとの偏在状況の把握、言語生活の実態、教育環境、社会基盤等の文化形成過程を究明し、共通性や相違性、諸特徴を明らかにし、他地域との影響関係を分析する。 実施済みの東北地域、北陸地域との調査結果との比較検討を経て、言語文化の受容と伝播、日本語変遷とその要因の解明へとつなげる。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本語資料として注目されてこなかった往来物資料を活用し、日本語変遷とその要因を解明することを目的としている。以前に行った東北地域における調査研究と研究成果、および北陸地域における調査研究と研究調査をふまえて、本研究期間内においては、島根、鳥取、山口といった山陰地域に焦点を絞って、調査研究をすすめた。 江戸時代、北前船という日本海航路を利用して、多くの物資が、関西圏から関東を経由せず、直接に東北や北海道に届けられていた。そうした海域交流の影響が、言語の変化過程に影響を及ぼしたのではないかと考えているが、特に出版文化の観点から、往来物資料の流通状況を分析し、山陰の各地の教育環境や諸特徴の一端を明示した。資料の所在状況を確認しつつ、調査研究をすすめ、順次、出版地域別と目的別に分類整理した研究成果を公表した。 今年度は、以前改修中で調査が行えなかった山形県立図書と山口の萩市立図書館において研究調査を実施し、研究成果として「山形県立図書館所蔵の往来物資料について」「萩市立図書館所蔵の往来物資料について」を公表した。また講演「日本語の異分野連携研究の可能性-往来物資料を一例に-」「日本語教育と仁保研究の展望 SDGsの目標とダイバーシテイを意識して」、書籍「コオリ先生のことば探求紀行」を刊行した。台湾の大学で日本学専攻の学生と研究者を対象として「言語学の基礎 日本語について考えよう」と題した特別講演も行ったが、その内容には本研究成果も含んでいる。以上のように山陰地域と他地域の往来物資料の有用性について、研究の実績を積み、国内外で研究成果を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公務多忙(大学理事・副学長)で、研究時間の確保が困難であったが、研究期間の延長が認められたため、心理的にも時間的にも余裕ができた。新型コロナ感染症の影響も少なくなり、研究調査のための出張にもでやすくなった。
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今後の研究の推進方策 |
山陰地域の研究成果を整理し、分析したうえで、今後は、他地域との比較等、総まとめを行う。
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