研究課題/領域番号 |
19K00626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岸本 恵実 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50324877)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | イエズス会 / 辞書 / キリシタン / 羅葡日辞書 / 日葡辞書 / 宣教に伴う言語学 / パリ外国宣教会 |
研究開始時の研究の概要 |
キリシタン版『羅葡日対訳辞書』(1595年刊)は、ヨーロッパで版を重ねたラテン語辞書『カレピヌス』諸版のうち、1580年リヨン版を主要な典拠にしたとみられる。本研究では知識受容に着目し、(A)『カレピヌス』との比較、(B)『日葡辞書』との比較という二つの柱を立て、『羅葡日辞書』の翻訳の特徴を明らかにする。(A)では、『カレピヌス』にみられる西欧の古典・知識受容のあり方と、それらの『羅葡日』における翻訳方法を調査する。(B)では、(A)の様相と比較しつつ、日本語文献を多数参照している『日葡辞書』(1603・1604年刊)を調査し、知識受容の面での二辞書の共通点および相違点を浮き彫りにする。
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研究成果の概要 |
キリシタン版『羅葡日辞書』のポルトガル語訳・日本語訳は、ラテン語辞書『カレピヌス』のラテン語語釈の抄訳であることが多いが、これまで指摘されていたキリスト教に関する記述以外にも、天文に関する記述に『カレピヌス』によらない日本語訳がみられることが明らかになった。また、『日葡辞書』がその後、日本のイエズス会士マノエル・バレト『葡羅辞書』、ポルトガルのイエズス会士ベント・ペレイラ『葡羅辞書』というポルトガル語辞書二点の典拠になったことも、本研究の中で具体例とともにはじめて実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キリシタン版『羅葡日辞書』は、主要原典であるラテン語辞書『カレピヌス』の版がほぼ特定され対照研究が行われるようになったが、その他の書との関係は不明の点が多かった。本研究により、天文に関する記述におけるイエズス会コレジオの教科書『講義要綱』との連続性、動物に関する記述における『羅葡日』『日葡辞書』それぞれの特色が明確になった。また『羅葡日』『日葡』を利用したマノエル・バレト『葡羅辞書』が、ポルトガルで編纂されたベント・ペレイラ『葡羅辞書』の典拠になったことから、日本イエズス会による辞書が、その後のポルトガル語辞書の情報源となったことをはじめて実証できた。
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