研究課題/領域番号 |
19K00639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
朝日 祥之 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (50392543)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 北見市常呂町岐阜方言 / 方言接触 / 敬語法 / サル敬語 / 常呂町 / 北海道方言 / 移住と言語変容 / 敬語 / 移住と変容 / 岐阜方言 / 社会言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、大野町から常呂町岐阜への移住者の間で用いられる尊敬語に見られる変 容を明らかにするところにある。本研究は、常呂町岐阜居住者の郷里方言の 使用をより包括的に把握するため、尊敬語に着目する。彼らの郷里である西美濃方言における尊敬語にはさまざまな語形があり、それぞれの意味機能を分担しながら使用される。本研究では、常呂町岐阜の話者の用いる尊敬語を特定し、それぞれの意味用法を明らかにする。これをもとに、常呂町岐阜の尊敬語は西美濃方言の尊敬語よりも単純なものになっていることを示す。その単純化を生み出した言語内的・言語外的要因を明らかにすることも本研究の目的である。
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研究実績の概要 |
本年度において、新型コロナウイルス感染症への五類以降により、現地調査を再開することが可能となった。2023年7月に現地訪問を実現させることができた。新型コロナウイルス感染症のため渡航できなかった期間で現地の話者との関係構築が十分にできなかったため、本年度はその関係の再構築を行う活動に重点を置いた。次年度には当初予定していた現地調査を北見市常呂町内、並びに岐阜県大野町で実施し、研究の取りまとめを行っていく予定である。資料整備については、これまでに入手した調査資料(1972年に実施された現地調査音声資料、並びに2010年代に報告者が現地で行った聞き取り調査によって得られた録音資料、また現地図書室にある文献、音声資料、映像資料)の整備を継続した。 言語分析については、これまでに書き起こしを行った録音資料を用い、当地の敬語法についての分析を継続させた。この他には、その成果の一部について、主に敬語法に関連する文法事項を中心とした項目に関する分析結果を、研究論文としてまとめ、北海道方言研究会会報に掲載した。本年度においても、研究分析の観点を検討するために、関連分野の文献(社会言語学、日本語学、言語学、方言学等)の収集を継続し、敬語法の把握に必要な観点について検討を行った。この他にも関連学会(日本語学会や北海道方言研究会)などに出席し、現地参加者と研究に関する情報交換を行い、分析手法に関する情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィールドワークを再開できたで計画を進められるようになったことは大きな収穫である。データ収集を行うのに必要な話者への協力依頼も進んだ。これまでの遅れを取り返すべく進めてきた既存資料の整備、分析も進めてきている。その意味でも、おおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は計画に立てていた調査を本格化させることが主たる計画である。本年度構築した話者との協力関係のもとで計画を進めていきたい。
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