研究課題/領域番号 |
19K00648
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 日本女子大学 (2021) 京都府立大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
鳴海 伸一 日本女子大学, 文学部, 准教授 (90611799)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 副詞 / 漢語 / 方法論 / 程度 / 評価 / 語史 / 意味変化 / 類型化 / 漢語の日本的変容 |
研究開始時の研究の概要 |
語の意味・用法が変化する事例のうち、副詞用法を発生させたものを対象に、個別の語史を考察する。そして、それを総合することによって、副詞の意味変化のありかたを類型化して示す。あつかう副詞の語例としては、程度的意味・評価的意味を発生させた漢語を中心とする。それによって、漢語副詞の発達を漢語の日本的変容現象のなかでとらえなおし、日本語における副詞の変化・発達の歴史において漢語受容のはたした役割を考察する。さらには、そのような理論的総合を視野にいれた個別の語史研究のありかたを、方法論的に検討する。
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研究成果の概要 |
個別の語の語史研究をおこない、それを総合することで意味変化の類型を考察し、語史研究の方法論の検討へと発展させることを構想した。 「遅々」は、近代以降にトシテ型の副詞用法を獲得するとともに、「遅々として進まない」という固定的な表現を形成したことを明らかにした。直近2年間の日本語学・日本語史、特に語彙の歴史的研究に関する研究状況の総括をおこなった。「国定修身教科書」を語彙史資料として検討し、問題となる事例を挙げて論じた。「賞罰」の語史的検討によって、「方丈記」の本文解釈を論じた。さらに、二字漢語のうち、二字が対になるもしくは反対の意味を表すくみあわせのものについて、意味変化の類型を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究であつかう内容の一部は、言語普遍的におこり得る現象である。また、本研究であつかう漢語受容史上の事例は、中国語を受容するに際しての、自言語の干渉による変容といえる現象であることから、アジアの他言語における中国語受容や、ラテン語とヨーロッパ諸語の関係の研究などに、考察の視点を提供することができる。 さらに、本研究が提供する、個別の語史研究のあり方とそれらの理論的総合のしかたを問題にする視点によって、方法論に関する議論が活発になることが期待される。
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