研究課題/領域番号 |
19K00651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
久野 マリ子 國學院大學, 文学部, 名誉教授 (90170018)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 首都圏方言 / 新東京都言語地図 / 地域差 / 年代差 / 若年層への伝播 / 音韻 / 文法 / 語彙 / 古層の記述 / 若年層へのひろがり / 方言文法 / 方言語彙 / 言語使用意識 / 新方言 / 東京都の高年層 / 東京都の青年層 / 若年層への拡がり / 共通語 / スタイル差としての首都圏方言 / 現代日本語で進行中の音韻変化 |
研究開始時の研究の概要 |
共通語は東京方言を基盤とし、東京方言は関東方言を基盤としている。これまで首都圏の関東方言は共通語に近いとされ詳細な資料報告が少なかった。高年層が健在なうちに首都圏方言の基盤となった関東方言の記述と保存を行う。また、首都圏方言が公の場で用いられる共通語に対して、日常の生活語として使われる首都圏方言が、日本各地において特に若年層で、くつろいだ場で用いられる内々の共通語として受け入れられつつあることを明らかにする。方言の事象というより、「ゼーイン(全員)」のような第2拍目の撥音の音声変化が日本語音韻全体に浸透しつつある実態を明らかにしようとする。
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研究成果の概要 |
研究の目的:伝統的な東京方言を記述することと、首都圏方言が全国の若年層へどれだけ広がっているかを調査することである。 成果:『新東京都言語地図 文法・語彙篇』を刊行した。東京都の言語実態を明らかにし、年代差と地域差を考察して報告書にまとめた。首都圏方言が各地の若年層に広まっている実態をアンケートおよび臨地調査により調査したが、新型コロナ感染症の蔓延により臨地調査が十分に実施できず、分析を完成させられなかった。東京都の方言は島嶼部と区部・多摩地区とで異なることが改めて確認できた。23区と多摩地区では言語体系が異なり、23区の中でも旧15区は周辺の地域と違いがあることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東京都の高年・青年層の方言体系を臨地調査を実施した『新東京都言語地図 文法・語彙』を完成させた。複雑な東京方言の実態を捉えた成果で、今後の共通語研究の比較の基準となる。例えば「~じゃん」は首都圏方言として全国に拡散している、この研究でごく短期間に東京都内に広がり、次に全国に広がった。またその使用意味は限定的であることが明らかになった。 この成果は東京方言の実態を実証的に明らかにしたことで画期的である。とくに音声言語としての共通語の変化のスピードの考察に役立ち、現代日本語の考察や日本語、標準語の研究、スタンダード日本語の研究の基礎となる。日本語史や国語教育や日本語教育にも貢献できる。
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