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首都圏における言語資料の高密度収集と言語動態分析

研究課題

研究課題/領域番号 19K00656
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02070:日本語学関連
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

鑓水 兼貴  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (20415615)

研究分担者 田中 ゆかり  日本大学, 文理学部, 教授 (40305503)
三井 はるみ  國學院大學, 文学部, 教授 (50219672)
竹田 晃子  岩手大学, 教育学部, 教授 (60423993)
林 直樹  日本大学, 経済学部, 准教授 (70707869)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード方言学 / 社会言語学 / 日本語学 / 言語地理学 / 言語調査法
研究開始時の研究の概要

本研究は、首都圏における方言分布の形成過程の解明を目的とする。これまでの研究で、アンケート調査システムや、方言データベースのシステムを作成してきたが、そうした研究ツールを統合して、新しい調査・分析システムを構築する。
首都圏における非標準形の分布を把握するためには、多くの言語項目、多くの回答人数による調査から分析する必要がある。過去の首都圏の方言資料と、新規の調査結果を組み合わせた分析を行うために、新しいツールの開発を行う。
本研究において開発する調査・分析システムを利用して、これまでの研究で提案してきた首都圏の言語動態モデルについて検証を行う。

研究実績の概要

本研究は、(1)調査地点の「高密度化」、(2)方言資料の「高密度化」、(3)言語動態モデルの検証という3点からなる。
(1)アンケート調査・分析システムRMSの改良:研究実施計画で示したRMS(Real-time Mobile Survey)システムの4点の改良点については、2021年度までに新システムへの組み込みを行った。2023年度までに実験ができなかったため、2024年度に実施予定である。以下にRMSシステムの改良点の進捗を示す。「スマートフォンへの対応」については、WEB調査会社やGoogleフォームにおけるスマートフォン表示をシステムに反映させ、さらに改良を加えた。「マルチメディアへの対応」については、音声を再生して質問に回答する機能の改良を継続した。「横断検索システムとの統合」については、データ連結の機能の実験を継続した。「個人情報保護の強化」については、アンケート承諾機能と承諾レベルによる質問変更機能の改良を継続した。
(2)方言資料の統合的利用のためのデータベースの拡充 :首都圏における調査方法の異なる方言調査資料の集積作業を継続した。「方言データベース」の統合については、記号の部分要素の選択による自動記号作成の実験を継続した。関東以外の調査資料については、東北地方の大規模調査データに関する地図作成実験を継続した。
(3)首都圏の言語動態分析:2019年度、2020年度に実施した東京都における同一質問によるWEB調査を、神奈川県、埼玉県、千葉県に拡大し、調査を実施した。さらに結果をもとにした言語動態の分析を行った。
3年間の研究計画はほぼ達成したが、延長した2022、2023年度にできなかった(1)の調査実験を行うため、2024年度への研究期間の再延長を申請した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの進捗状況について、研究実績の概要の分類に従って述べる。全体としては進展しているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって研究が遅れている部分が残っているため2023年度に延長したが、引き続き2024年度の再延長を申請した。
(1)アンケート調査・分析システムRMSの改良:新型コロナ感染症の5類移行に伴い、対面授業は増えたが、大人数授業の遠隔授業が継続したため、授業でのツールの実験をさらに2024年度に再延期した。アンケート調査データについては、研究実施計画で示した改良点に関する個別の実験、および新しい言語調査ツールへの統合作業や、「スマートフォンへの対応」「マルチメディアへの対応」「横断検索システム」「個人情報保護の強化」の実験は2023年度までにほぼ完了した。新規RMSシステムによる実験が遅れているが、研究期間の再延長により、計画遂行に支障はない。
(2)方言資料の統合的利用のためのデータベースの拡充 :関東地方の言語地理学的データについて、未電子化資料の画像、テキストのデータベース化を継続しており、研究期間の延長により、さらに拡充を進める。東北方言の言語地理学的資料や、他の方言資料との統合的分析についても継続する予定である。
(3)首都圏の言語動態分析:2019、2020、2023年度にWEB調査会社を用いて言語地理学的アプローチによるWEB調査を実施した。両資料による首都圏の言語動態について分析作業を継続している。
以上から、2024年度の新規RMSシステムによる実験を残すのみであり、ほぼ計画は達成されており、「おおむね順調に進展している。」とした。2024年度の延長期間にさらに研究を進展することができると考えている。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策について、研究実績の概要の分類に従って述べる。
(1)アンケート調査・分析システムRMSの改良:改良すべき4点について、統合した新規RMSシステムの実験を実施する。新型コロナに伴う遠隔授業の関係で大学の授業における調査実験が遅れていたが、2024年度は実験を実施予定である。同時にRMSシステムのマニュアルを作成し。公開可能なシステムにする。
(2)方言資料の統合的利用のためのデータベースの拡充 :関東地方と東北地方における言語地理学的資料、方言データベース資料の統合や、新規RMSシステムを利用した言語地図作成の実験を進める予定である。
(3)首都圏の言語動態分析:2023度までに収集した調査データと、2024年度に実施予定のRMSによる調査データ、そして(2)で整備した関東地方の言語地理学的資料を総合した分析を行う予定である。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (26件)

すべて 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 3件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] コンピュータと方言地理学2023

    • 著者名/発表者名
      鑓水兼貴
    • 雑誌名

      方言地理学の視界

      巻: - ページ: 355-371

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 戦後日本語社会における方言意識の巨視的な推移―大規模全国調査に基づく話者類型の地域差と年代差―2023

    • 著者名/発表者名
      田中ゆかり・前田忠彦・林直樹・相澤正夫
    • 雑誌名

      方言の研究

      巻: 9 ページ: 107-132

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] アクセントの聞き取り傾向に基づく首都圏生育者のタイプ分類―Web聞かせる調査データを用いた多変量解析分析結果から―2022

    • 著者名/発表者名
      林直樹
    • 雑誌名

      語文

      巻: 173 ページ: 102-81

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 1万人を対象とした全国方言意識Web調査に基づく話者類型2022

    • 著者名/発表者名
      田中ゆかり・前田忠彦・林直樹・相澤正夫
    • 雑誌名

      計量国語学

      巻: 33(4) ページ: 249-264

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「国語に関する世論調査」に見る属性差2021

    • 著者名/発表者名
      鑓水兼貴
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 40 (2) ページ: 116-124

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 社会言語学からみた「国語に関する世論調査」 : 調査データの用途と活用の観点から2021

    • 著者名/発表者名
      田中ゆかり
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 40 (2) ページ: 16-28

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 広がる関西弁~国語研の調査データを使ってみよう~2021

    • 著者名/発表者名
      鑓水兼貴
    • 雑誌名

      ことばの波止場

      巻: 9 ページ: 8-9

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 同音異義語の区別にかかわる音声的特徴―下降幅・相対ピーク位置を指標としたWeb聞かせる調査結果から―2020

    • 著者名/発表者名
      林直樹
    • 雑誌名

      語文

      巻: 168 ページ: 102-89

    • NAID

      40022508678

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] アクセントの自然さにかかわる音声的特徴―首都圏生育者を対象とした聞かせる調査から―2019

    • 著者名/発表者名
      林直樹
    • 雑誌名

      方言の研究

      巻: 5 ページ: 141-159

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多人数質問調査法の現在(7)―ネット調査の利点と制約―2019

    • 著者名/発表者名
      林直樹・田中ゆかり
    • 雑誌名

      計量国語学

      巻: 32(4) ページ: 234-248

    • NAID

      130008000608

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 災害時の方言とコミュニケーション:日本語教育と方言研究の連携のために2019

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 雑誌名

      日本語教育

      巻: 173 ページ: 1-15

    • NAID

      130008079374

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 「略字・俗字」の使用意識に関する経年調査2023

    • 著者名/発表者名
      高田智和・鑓水兼貴
    • 学会等名
      日本語学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 東北地方方言分布調査データベースへの招待2023

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      シンポジウム「「日本方言データベース(DDJ)」の構築と公開に向けて
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会調査回答データ2022

    • 著者名/発表者名
      鑓水兼貴
    • 学会等名
      国立国語研究所2022年度共同利用セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 鶴岡調査における共通語化最終段階の方言使用2022

    • 著者名/発表者名
      鑓水兼貴・高田智和
    • 学会等名
      NINJALフォーラム2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 2003年の日本の言語政策―国立国語研究所「自治体調査」データの公開―2020

    • 著者名/発表者名
      鑓水兼貴
    • 学会等名
      日本言語政策学会第22回研究大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 東北方言における条件表現の形式 ―近代の方言変化を読み解く―2020

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 学会等名
      日本語文法研究のフロンティアー日本の言語・方言の対照研究を中心にー
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 共通語化最終段階における方言使用状況―第1~4回鶴岡共通語化調査データの公開―2019

    • 著者名/発表者名
      鑓水兼貴・高田智和
    • 学会等名
      日本語学会2019年秋季大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 公開展示「小林好日博士の東北方言調査の資料,東日本大震災における方言をめぐる活動の紹介」2019

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子・小林隆・今村かほる・大野眞男・杉本妙子・東北大学方言研究センター
    • 学会等名
      日本方言研究会第109回研究発表会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 同音異義語の区別にかかわる音声的特徴―下降幅・相対ピーク位置を指標としたWeb聞かせる調査結果から―2019

    • 著者名/発表者名
      林直樹
    • 学会等名
      日本大学国文学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 全国調査による感動詞の方言学2022

    • 著者名/発表者名
      小林隆 編/有元光彦、勝又琴那、川﨑めぐみ、櫛引祐希子、小林隆、坂喜美佳、作田将三郎、椎名渉子、竹田晃子、田附敏尚、津田智史、友定賢治、中西太郎、舩木礼子、松田美香
    • 総ページ数
      386
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823411670
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 全国調査による言語行動の方言学2021

    • 著者名/発表者名
      編者:小林隆、著者:井上文子・尾崎喜光・櫛引祐希子・熊谷智子・小林隆・佐藤亜実・椎名渉子・篠崎晃一・竹田晃子・津田智史・中西太郎・松田美香
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823410710
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 実践方言学講座2 方言の教育と継承2020

    • 著者名/発表者名
      編集代表:小林隆、編者:大野眞男・杉本妙子、著者:大野眞男・杉本妙子・児玉忠・小林初夫・札埜和男・佐藤髙司・加藤和夫・今村かほる・竹田晃子・小島聡子・山浦玄嗣・三樹陽介・茂手木清・金田章宏・山田敏弘・菊秀史・中本謙・小林隆・内間早俊・坂喜美佳・佐藤亜実・小原雄次郎・櫛引祐希子
    • 総ページ数
      326
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      9784874248461
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 東北方言における述部文法形式2020

    • 著者名/発表者名
      竹田晃子
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823410123
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 釜石 漁火の会がおらほ弁で語る ふるさとの昔話2020

    • 著者名/発表者名
      大野眞男・竹田晃子・小島聡子
    • 総ページ数
      152
    • 出版者
      岩手大学教育学部(科研費研究成果報告書)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 生活を伝える方言会話[資料編・分析編]:宮城県気仙沼市・名取市方言2019

    • 著者名/発表者名
      東北大学方言研究センター編/太田有紀・大橋純一・川﨑めぐみ・櫛引祐希子・甲田直美・小林隆・作田将三郎・櫻井真美・佐藤亜実・澤村美幸・椎名渉子・竹田晃子・田附敏尚・玉懸元・津田智史・中西太郎・吉田雅昭
    • 総ページ数
      864
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784894769847
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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