研究課題/領域番号 |
19K00670
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
中川 直志 中京大学, 国際学部, 教授 (70321015)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 統語論 / 生成文法 / 英語史 / 不定詞節 / tough構文 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、不定詞節の統語構造の発達が、不定詞節が生起する環境(異なるタイプの構文等)によって、どのような違い(発達の要因、発達の早さや遅さ、等)を見せるのかについて詳細に観察した上で、最新の生成文法理論の枠組みにおいて分析を行う。その結論として、不定詞節の統語構造の発達が、その生起環境と無関係に進行するのではなく、生起環境によって影響を受けることを実証する。また、不定詞節が前置詞句構造から節構造を持つようになり、さらにその範疇を拡大していく過程で発生した構造の再分析について、ラベル理論等用いて分析し、最新の理論が通時的統語分析に寄与する可能性について検証する。
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研究成果の概要 |
移動にA/A’の区別をしてきた生成文法にとって、その両方の特性を示すとされるtough構文の派生は、分析困難な存在であり続けている。その一方で、特に2000年代に入り、この問題に極小主義の立場からアプローチする研究が次々と発表されてきた。本研究においてはそれらの中から代表的な研究を分析した上で、tough構文の分析に当たっては、とりわけその歴史的発達の観点から、構文そのものの本質に対する考察が欠かせないという現時点での結論に達した。具体的には、tough構文はA移動による派生からA'移動による派生に移り変わる過渡期にあると考えるのが自然であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特徴は、共時的立場からの理論的分析に通時的視点を加えることによって、共時的分析だけでは説明困難な現象について、より本質的な側面から分析することが可能になることを示唆していることにある。言語が常に変化の途上にあると考えるのが自然であるとすれば、現代英語を完全なシステムとして分析し尽くすことが困難であることは自明であり、不完全なところがなぜ不完全なのか、不完全な部分についてもコミュニケーションが可能なのはなぜなのかといった、言語分析に対する新しい「切り口」を提供することができると考えられる。
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