研究課題
基盤研究(C)
ヒト言語の起源説の中に、仕草が音声言語の発達を促したのではないかという仮説がある。この仮説の有効性は手話をみればよく理解できる。本研究では、骨格と関節の構造体から構成した統語木に、ラムダ計算を用いた構成的意味論を構築する。これにより、各関節の動きを姿勢の連続を表す木表示上に運動分布(動きの有無)を意味表示することができる。この「動作文法」によって、統語構造は単純だが、意味的内容は豊かな文法が得られる。コミュニケーションの主たる目的が意味の伝達にあることに鑑みると、これは極めて自然に見える。この観点から言語進化を眺めることで言語のための文法(の統語論と意味論)の本質と特徴を考察してゆきたい。