研究課題/領域番号 |
19K00692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
後藤 亘 東洋大学, 経営学部, 准教授 (50638202)
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研究分担者 |
石井 透 明治大学, 文学部, 専任教授 (30193254)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Determinacy / Merge / Resource Restriction / Minimal Search / Minimal Yield / PIC / Binarity / Box Theory / movement phenomena / binary / MERGE / Stability / Search / Input/Output Determinacy / ATB / identity / Form Sequence / Optimal Design / 大文字併合 / 決定性原理 / 位相不可侵条件 / 移動現象 / 生成文法理論 / 決定生原理 / パラメータ変異 / 置換現象 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人間言語の普遍的操作の1つと考えられている「大文字併合(MERGE)」と自然法則の1つとみなされ得る「決定生原理(Principle of Determinacy)」の理論的精緻化を図り、世界中のあらゆる人間言語が示す「移動現象(movement phenomena)」の「非対称性(asymmeties))」を実証的・経験的に分析・検証することにより、人間の脳内に備わる言語機能の中心的メカニズムの理解に貢献すると共に、人間の認知システムの解明を目指す「生成文法(Generative Grammar)」の進展に寄与することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、MergeとDeterminacyの関わりを考察し、その帰結を明らかにすることで人間の認知システムの解明を目指す生成文法理論の進展に寄与することである。Determinacyの重要性は、Chomsky氏が2017年にReading大学で行った講演会で指摘した。その後、Chomsky, Gallego & Ott (CGO) (2019)の共著論文の中で「DeterminacyはMergeの出力条件として適用される」という趣旨の示唆がなされたが、その理論的妥当性と経験的射程は明らかではなかった。そこで本研究では、DeterminacyをMergeの入力条件とした方が、理論的にも経験的にも優れているということを実証してきた。その成果はNELS (2020)のProceedingsなどですでに公開されている。 さらに本研究では、Determinacy研究から得られた知見から、Mergeの入力を決定するSearchを再検討した場合どのような帰結が得られるかも探求した。その結果、Determinacyで捉えようとしていた効果はBinarityに還元可能であり、Late MergeやParallel Mergeなどの「Mergeの拡張版」は、Minimal Yield (Chomsky 2021参照)に参照することなくBinarity の観点から排除できるということも明らかにしてきた。その成果は『The Linguistic Review』から出版されている。 本研究を通して、Binarityの重要性が明らかになったが、これと同様の方向性がChomsky氏が2023年1月に提案した「ボックス理論」でも指摘された。したがって、今年度は、この最新の枠組みも含めて研究を進めた。具体的には、ボックス理論に基づいてAcross-The-Board (ATB) MovementとImproper Movementに対して新たな分析を与えることでボックス理論を精緻化し、それを支持する研究を行った。その成果は今後、GLOW in Asia XIV (2024)のOnline Proceedingsなどから出版される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題は、DeterminacyとMergeの研究であるが、それらの研究を通して得られた成果に基づいて、理論の進展に伴い新たに導入された最新概念(例:Chomsky 2021のMinimal YieldやChomsky 2023のBoxing)をも取り込むような形で有意義に拡張することができているという点で、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで本研究で取り上げてきたDeterminacy, Minimal Yield, Boxingなどの概念は、言語の中核的な構造構築操作であるMergeの適用を規定する条件として機能しているため、「Mergeの適用条件」について今後さらに研究を進めていくことは人間の認知システムの解明を目指す生成文法理論の進展に大きく寄与することが期待できる。したがって本研究は、今年度が最終年度となるが、「Mergeの適用条件」の研究として,より大きな研究課題のもとで継続的に研究していく予定である。
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