研究課題/領域番号 |
19K00693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
柴崎 礼士郎 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (50412854)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 談話分析 / 歴史言語学 / 構文化 / 文法化 / 語用論 / 談話標識 / 破格 / 定型性 / 語用論標識 / 英語 / 対照言語学 / 破格構文 / 歴史語用論 / 英語史 / 日本語 / 構文 / 談話研究 / 定型表現 / 談話語用論標識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、英語史における破格構文の発達を「構文化(constructionalization)」という理論的枠組みから考察するものである。構文理論あるいは構文化理論は、項構造の研究において十分な成果を上げている。しかし、統語的に独立して文頭や文末に生起する談話/語用論標識と構文化との関係や、自然な情報連鎖に基づく融合構文の研究は看過されている印象が強い。本課題では破格構文を広義に解釈し、発話の周辺部で創発する統語的独立(談話/語用論標識)と統語的融合(融合構文)の2つの変化の方向性を、構文化理論の視点から論ずる。包括的な事例研究を通して「構文の談話基盤性」を解明し、理論の精緻化も図る。
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研究成果の概要 |
本研究課題は英語破格構文の歴史的発達経緯を考察することを出発点とし、先行研究では看過されていた現象を分析してきた。破格構文の創発には談話レベルの情報連鎖が不可欠である。本研究課題では構文を談話レベルの複合現象と捉え、通時的考察により詳細な発達経緯を明らかにした。系統発生的に異なる日本語とディダ語(コートジボワール)の談話資料も精査し、近い談話機能を有する関連構文を複数の言語間で比較対照して研究を実施した。研究期間全体を通して、言語の系統発生を超えたところに潜在する人間に共通の認知的・談話機能的営みとその言語的顕在化を提示することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英語破格構文は統語的に独立して文頭や文末に生起する場合が多く、談話/語用論標識と機能的に類似する部分がある。破格構文同士が融合して新たな破格構文を創発することからも、破格構文の談話基盤性を窺い知ることができる。個々の破格構文の歴史的考察から分かることは、破格構文にも統語的且つ談話機能的な共通部分が確認でき、広義には定型表現研究にもつながる点である。破格構文は歴史のある時点で独特な事例として創発するが、類推的に現れる関連表現とともに定型性を担うことも垣間見えてきた。近年、定型表現研究が現代語教育で注目を集めているため、破格から定型性へという歴史的側面の理解は重要であると考える。
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