研究課題/領域番号 |
19K00736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真嶋 潤子 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 名誉教授 (30273733)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 移民統合 / CEFR / CEFR-CV / 言語教育政策 / 日本語教育 / 移動の世紀 / 複言語教育 / CEFRーCV |
研究開始時の研究の概要 |
日本語教育に関わってきた者として、これまで留学生教育をはじめとする「エリート教育」「高度人材」育成に注力してきたが、日本で暮らす「生活者としての外国人」をも対象とする必要性があると考えている。そこで移民の社会統合のための基礎資料として、欧州のCEFRにまつわる言語教育政策と実践から知見を得ようとする者である。 本研究は、(1)文献調査、(2)欧州の関係者または専門家から助言を得る、(3)移民統合のための言語教育現場の調査から、工夫されている点、優れた取り組みを理解し分析し、知見を得ることを計画している。
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研究実績の概要 |
日本社会の喫緊の課題の一つとして、少子高齢化による人口減少、労働者不足への対応策として外国人住民の受け入れを進める方向で動いている。本研究は、今後の増加が見込まれる(定住)外国人(本研究では便宜上「移民」と呼ぶ)を対象とした言語教育を考えるための基礎研究を行うことを目的としている。日本語教育に関わってきた者として、これまで留学生教育をはじめとする「エリート教育」「高度人材」育成に注力してきたが、日本で暮らす「生活者としての外国人」をも対象とする必要性があると考えている。そこで移民の社会統合のための基礎資料として、欧州のCEFRにまつわる言語教育政策と実践から知見を得ようと 考え本研究を進めている。 本研究は、(1)文献調査、(2)欧州の関係者または専門家から助言・情報を得る、(3)移民統合のための言語教育現場の調査から、工夫されている点、 優れた取り組みを理解・分析し、知見を得ることを計画して進めてきた。これまで(1)と(2)については、コロナ禍の制約の中でも、ある程度進めるこ とができた。本研究の目的達成のために、移民・難民の受け入れでは世界的にも重要なドイツの取り組みから学べることが多いと判断し、ドイツ滞在の機会に恵まれたので、情報収集は文献のみならず、ドイツの研究者との共同や、BAMF(連邦移民・難民局)本部の訪問はじめ現地調査も行ってきた。 日本国内では、文化庁文化審議会国語分科会日本語教育小委員会で、本研究のキーワードでもあるCEFRが「日本語教育の参照枠」として制度的に受容され、普及していく施策の現場に立ち会う機会を得ている。2022年度にも引き続きCEFR-CVを含む議論が進むこともあり、本研究の今後の成果との絡みも含め、何らかの貢献ができればと考えている。ドイツ滞在中に日本の言語教育政策への示唆を得ることができるよう、さらに一歩研究を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画目標通り、文献収集とデータベース化は進めることができている。2022年度までの成果に基づき、学会での招待講演(2022年5月独文学会ドイツ語教育部会、2023年2月日本語教育とプログラム評価研究会、2023年3月京都大学研究集会)と、文化庁文化審議会国語分科会日本語教育小委員会「CEFR-CV補遺版活用のためのワーキンググループ」での報告(2022年11月)を行い、科研費のおかげで目的のために多少なりとも貢献ができたと考えている。2022年度にはドイツの連邦移民・難民局(BAMF)の本部を訪問し、関係者へのインタビュー調査を行うことができ、また隣国フランスの研究者への訪問・学校見学・インタビュー調査も実施できた。 またドイツ(ケルン大学)の共同研究者との共著で分担執筆した書籍(2023)が出版されたことも、科研費による研究の成果である。前年までのコロナによる調査計画の変更の遅れは若干あるものの、2023年度に引き続き研究課題を遂行していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
現在滞在中のドイツでは、本科研課題のキーワードの一つである「複言語教育」に関する調査研究も、現地の研究協力者と教育機関(大学、高校) の協力を得て行っている。 これまでの研究成果をまとめることに加え、COVID-19への対応やその教育へのインパクトも考え、今後の課題も見据えながら、ドイツ滞在の利点を最大限に生かして、本研究の成果をさらに充実したものとすることを考えている。
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