研究課題/領域番号 |
19K00737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 京都大学 (2023) 大阪大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
大和 祐子 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (80707448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 日本語教育 / 漢字(語彙) / 認知処理 / 書字認知 / 眼球運動 |
研究開始時の研究の概要 |
日本語学習者にとって,漢字を習得することは,日本語習得を行う上で大きな課題である。しかし,日本語の漢字学習には,学習者は苦手意識を持っていることが報告されており,日本語教育では漢字教育でいかに学習者の漢字(語彙)習得を支援していくかが課題になっている。 本研究では,漢字(語彙)の数ある要素のうち,漢字という書字を認識することと記憶した漢字を再生することに焦点をあて,日本語学習者が視覚提示される漢字(語彙)をどのように捉えるか,それが漢字(語彙)を再生することとどのような関係にあるのか明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、漢字語彙正誤判断課題(実験)と漢字異同判断課題(実験)の準備を完了させ、中国語を母語とする台湾人日本語学習者への視線計測実験を実施した。現在、この結果をまとめ、非漢字系学習者の実験を行う上で改良すべき点がないか確認している。 まず漢字語彙正誤判断課題の実験刺激については前年度までに概ね作成が完了していたため、実験実施を行い、過去に行った(視線計測を伴わない)同種の実験結果とあわせて、中国語を母語とする日本語学習者(以下、漢字系学習者)の日本語の二字漢字語の処理特徴が日本語母語話者に近いものであるか、もしくは、同じく日本語学習者である非漢字系学習者に近いものであるか、3グループ(漢字系学習者・非漢字系学習者・日本語母語話者)を処理の迅速さと正確さの両面から比較した。その結果、漢字系学習者は処理の迅速さの面でも正確さの面でも日本語母語話者と近い特徴を示していることがわかった。一部、非単語の処理において、処理の正確さに影響する要因が日本語母語話者と異なる点が認められたものの、漢字系学習者の日本語の二字漢字語(と漢字二字からなる非単語)の処理の特徴は、明らかに非漢字系学習者の特徴よりむしろ日本語母語話者の特徴と類似している点が多かった。 この後、非漢字系学習者に対しても視線計測実験を行う予定であり、最終的には、非漢字系学習者と漢字系学習者の視線計測実験の結果を比較し、漢字および漢字語彙の認知処理過程の違いを詳細に検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
準備していた実験刺激の一部が実験用ソフトではうまく表示されないなど、技術的な問題を克服するため、実験刺激の修正が必要になった。また、実験に使用する機器の数の問題で、視線計測実験の実施に当初の想定より長い時間がかかっている。そのため、現段階で予定したすべての実験が終了していない。以上のことから、研究進捗状況がやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
非漢字系学習者の視線計測実験と(可能であれば)日本語母語話者の視線計測実験を早い段階で行い、データ収集を完了させる。実験を実施する上で、ある程度集中的に実験を実施する場所・時間を確保することが必須であるため、一定期間、海外の日本語教育機関の協力を得て実験を実施することも検討する。
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