研究課題/領域番号 |
19K00754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 山野美容芸術短期大学 |
研究代表者 |
佐藤 正則 山野美容芸術短期大学, その他部局等, 特任准教授 (50647964)
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研究分担者 |
三代 純平 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80449347)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サハリン残留日本人永住帰国者 / 複言語・複文化 / 仲介活動 / 異文化適応 / 境界 / アイデンティティ / サハリン帰国者 / ライフストーリー / モデル・ストーリー / 仲介 / 二世 / 多文化社会 / サハリン残留日本人 / 永住帰国 / モデルストーリー / 二世の語り / ライフストーリーインタビュー / フィールドワーク / 残留日本人 / 一時帰国 / 複言語複文化 / アーカイブ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はサハリン残留日本人とその家族のライフストーリー研究である。サハリン残留日本人とは、戦後、サハリンに残留を余儀なくされた日本人を指す。ソビエト連邦崩壊以降、残留日本人とその家族の永住帰国が可能になったが、彼/彼女らは日本社会から放置され、不可視の存在であり続けた。本研究では、サハリン残留日本人にライフストーリーインタビューを実施し、彼/彼女らの語りのアーカイブ化を試みる。また、日本に永住帰国した残留日本人とその家族の複文化、複言語的な言語生活の経験の意味を明らかにする。そして、複文化、複言語性を活かした日本語教育カリキュラムを構想する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に報告した複言語・複文化性の考察から一歩進め、複言語・複文化における仲介活動に着目し研究を進めた。2021年度までに行ってきたサハリン残留日本人永住帰国者へのインタビューをもとに学会発表(日本語教育学会春季大会)および論文化(日本言語政策学会『言語政策19号』)を行った。 先行研究調査では、中国帰国者の日本語、生活研究を概観すると、異文化適応という観点から記述したものがほとんどであることが明らかになった。異文化適応は同化につながる可能性が指摘されてきた。そこで、本研究では複言語・複文化話者における仲介能力に注目した。日本語・ロシア語を使い仲介活動を行っているサハリン帰国者の語りを分析した結果、永住帰国当初は否定的だった自らの複言語・複文化性、アイデンティティを肯定的に捉えられるようになったことが分かった。また、仲介活動は、言語や文化の境界にいるからこそ可能になるということも確かめられた。さらに、永住帰国者のそのような仲介能力を可能にするのは、地域における他者との関係性が大きいことも明らかになった。以上のことから、複言語・複文化話者が自己の存在を肯定的に捉え、生き生きとその力を発揮できるような社会の必要性を確認した。しかし、それは適応を施策の中心に置く行政では生まれにくい。帰国者を適応させるのではなく、帰国者の複言語・複文化性を肯定的に捉え、複言語・複文化話者の仲介活動を様々な場で行うことができるようなシステムを構築していくことが重要である。 一方、2022年度も日本国内(東京、北海道各市)の永住帰国者とその家族へのライフストーリーインタビューを行った。本調査においても地域のあり方、仕事、人間関係、仲介活動が帰国者のアイデンティティ、人生に影響を及ぼしていることが示唆された。2023年度の学会発表、論文化で、その成果を公表していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は完全に日本国内に照準を定め、北海道や東京で数回のインタビューを行うことができた。また、複言語・複文化における仲介活動という観点で研究を進め、論文化を行うことができた。一方で、2022年度夏に、支援団体や教室へのインタビューを行う予定だったが、コロナ感染の影響で実施できない等、コロナ感染症の影響は続いた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度までの国内インタビューをまとめ、学会発表、論文化を行う。また、東京、北海道の各市の永住帰国者とその家族のフォローアップインタビューを行い、今後の研究の課題や報告性を明らかにする。さらに、現在進めているアーカイブスの具体化を進めていく。
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