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英語のプロソディーの習得にL1が及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 19K00757
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関東京外国語大学

研究代表者

斎藤 弘子  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10205669)

研究分担者 新城 真里奈  明治大学, 文学部, 専任講師 (00838518)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード英語音声の習得 / プロソディー / イントネーション / 母語の転移 / 英語学習
研究開始時の研究の概要

日本の英語教育では、イントネーションについては理論に基づいた教授法が確立されていない。その中でも特にイントネーションの「核 (nucleus) 」がどの音節に置かれるかということは、文の「意味」伝達にかかわる重要事項であるにもかかわらず、明示的な指導を行うことができる教師は少ない。本研究は、英語学習者がどのような指導を受けたらイントネーションを習得できるのか、様々な条件を設定して観察する。また、習得には順位があるのか、英語学習者のイントネーションを経年的に観察して明らかにする。そのことによって、これまで軽視されがちであった英語のイントネーションを効率よく指導できるようにする。

研究実績の概要

日本人英語学習者が英語のイントネーションを習得する過程を観察している本研究では、特に英語イントネーションにおいてコミュニケーション上重要であるとされている、音調核をどの音節に置くのかということと、イントネーションの音調を伝えたいメッセージに応じて使い分けることができるのか、ということを見ている。
まず、英語のプロソディー習得の時に問題となる母語(日本語)の影響や英語イントネーションの種類別難易度と習得の順序が存在するのかを考察すべく、音声データを録音し分析することを続けてきた。その結果、英語のイントネーションの種類による習得の順序(難易度)があることが分かった。また、イントネーションには幾つかの構成要素が存在し、それらが相互に作用すると、あるイントネーションパターンが実現しやすく、またあるものが難しくなることが分かった。
また、続いて行った研究では、中・上級レベルの英語学習者が、どのような順序でイントネーションを習得していくのかを明らかにした。しかもイントネーションが教授可能であるという示唆を得た。特に核配置と音調は発話の意味に関わる事項であり、正しく教授することが英語コミュニケーションを正確なものにするので、効果的な指導方法に結びつけられることが明らかになったのは、収穫であった。
この間、ウェールズ英語のイントネーションを研究している分担者は、下降調の実現について、長文の読み上げ音声を用いて分析した。その結果、ウェールズ英語では下降調に分類される音調が標準的なイギリス英語より多様であり、それぞれの音調が示す意味やニュアンスも標準発音とはことなる可能性があることを確認した。また、下降調の一種として現れる低平板調は、ピッチ曲線を観察しても下降調との区別がつきにくいものの、音響分析ソフトで精査すると、下降開始直後の下がり方が極めて急であることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者は、日本人英語学習者による英語イントネーションの習得の順序を探るための実験を行い学習者の習得過程の特徴をとらえることができた。また、そのことを論文にまとめ、査読付きの論集に発表してきた。
研究分担者は、ウェールズ語話者の英語イントネーションの音声データ(長文の読み上げ音声)を分析し、そこから得た知見を学会で発表し、査読付きの論集に掲載した。
両研究者とも、Covid-19蔓延の影響でデータ収集や海外の学会での研究発表の予定変更を余儀なくされたが、現在は研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

学生の海外留学が復活したので、留学前と帰国後の発音のデータ収集を再開できるようになった。しかし、昨年度までは英語圏への留学が増えたとはいえCovid-19前の状況に戻ったとは言えなかったため、データの数は限定的だった。今年度は英語圏での生活を経験した学生のデータを増やして、国内に留まりながらイントネーションについての授業で指導を受けた学生のデータと比較できるようにする予定である。
研究分担者は、引き続きウェールズ英語の長文読み上げ音声を分析し、文の焦点や話者の心的態度を表す機能を持つ核音調についての研究を進め、論文にまとめる予定である。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Pitch Movement on Pre-nuclear Stressed Syllables in Welsh English: Generational Differences.2023

    • 著者名/発表者名
      Arashiro, Marina
    • 雑誌名

      Bungei-Kenkyu

      巻: 149 ページ: 39-52

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The order of acquisition of L2 English intonation by Japanese learners2022

    • 著者名/発表者名
      Saito, Hiroko
    • 雑誌名

      語学研究所論集 Journal of the Institute of Language Research

      巻: 27 ページ: 1-8

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] An Analysis of Oxford Advanced Learner’s Dictionary of Current English, Tenth Edition2021

    • 著者名/発表者名
      Rumi Takahashi, Yukiyoshi Asada, Marina Arashiro, Kazuo Dohi, Miyako Ryu, Makoto Kozaki
    • 雑誌名

      Lexicon

      巻: 51号 ページ: 1-106

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書 2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acquisition of L2 English Intonation by Japanese Learners2021

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Saito
    • 雑誌名

      東京外国語大学語学研究所『語学研究所論集』

      巻: 25 ページ: 19-24

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Pre-nuclear Pitch Movement in Female Speech of Welsh English: An Inter-Dialect and Intra-Dialect Investigation2020

    • 著者名/発表者名
      Marina Arashiro
    • 雑誌名

      『文芸研究』

      巻: 142 ページ: 19-30

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] IPAについて ―英語のバイアス?―2023

    • 著者名/発表者名
      斎藤弘子
    • 学会等名
      東京外国語大学 語学研究所 定例研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ウェールズ英語のイントネーションに関する社会言語学的調査 ―ピッチ変動の頻度と幅に焦点を当てて-2022

    • 著者名/発表者名
      新城真里奈
    • 学会等名
      第36回日本音声学会全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] ライトハウス英和辞典 第7版 : Lighthouse English-Japanese Dictionary 7th edition2023

    • 著者名/発表者名
      赤須 薫(編者)、Mary E. Althaus, 八幡成人、斎藤弘子、池田和夫、土肥一夫、C.L. Barnard、片山雅夫(編集委員、執筆者)
    • 総ページ数
      1864
    • 出版者
      研究社
    • ISBN
      9784767415079
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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