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日本語母語話者の韓国語運用を阻害する漢語動詞のヴォイスの類型化と理論化の試み

研究課題

研究課題/領域番号 19K00775
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関神奈川大学

研究代表者

尹 亭仁  神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (70409879)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード韓国語 / 漢語動詞 / 基本漢語動詞 / ヴォイス / 正の転移 / 負の転移 / 参加誘導型視覚教材 / 多言語表示 / 使役形 / 受身形 / 社説 / 小説 / 語彙調査 / 新聞の社説 / 全数調査 / 演繹的アプローチ / 母語話者 / 使役 / 受身 / 類型化 / 理論化
研究開始時の研究の概要

日本語を母語とする韓国語学習者にとって,韓国語の漢語動詞の使役動詞および受身動詞の複雑な派生のプロセスは運用能力を阻害する大きな要因の1つになっている.本研究では,従来の「帰納的正の転移のアプローチ」ではなく,大量のデータの収集・分類・分析の基盤形成に基づき派生のタイプを類型化し,それの理論的裏付けを以て,漢語動詞の用法に適用する「演繹的正の転移のアプローチ」による指導指針の策定とそれの教育現場への還元で韓国語学習者の運用能力の一層の向上を目指す.

研究実績の概要

本研究での大きな2つの軸は韓国語の漢語動詞の使役構文および受身構文である。使役構文においては、『李箱文学賞作品集1986-2015』(30冊)と「中央日報社説2016-20」の語彙調査から得られた使役動詞の「VN-sikida」のデータを用いて、使役動詞の語彙的特徴および傾向について論文を通して明らかにすることができた。受身構文の場合、3つの受身接辞の「VN-doida」「VN-badda」「VN-danghada」について、『李箱文学賞作品集1986-2015』のデータを対象に動作主標示の-ege(se)/-hante(se)/-(u)robute/-e yihada」の調査を行ない、延べ語数234語、異なり語数166語の用法を確認した。
「VN-doida」の場合、使用頻度も高く用法が多岐にわたっているため、23種類の活用形で検索しデータの整理をしているが、他動詞用法のみならず「doida/hada共存動詞」「自動詞」「自他両用動詞」「形容詞」「doida自動詞」の用法が必ず含まれているため、はじく作業に予想以上に時間がかかっている。23種類の活用形で「VN-doida」の語彙調査を続けているが、動作主標示「-e」との共起だけは一括処理ができないため、手作業をしている。「VN-doida」構文と助詞「-e」との共起関係は関わる漢語動詞の語数も最も多いため、欠かせない作業であるため、丁寧に進めている。
韓国語の使役構文と受身構文の使用の様子をより具体的に捉えるべく、日本における言語景観を対象に調査し、論文としてまとめた。論文の執筆の際に「参加誘導型授業」という重要な知見を得ることができ、韓国語のヴォイスの用法を教育現場により導入しやすい捉え方として提示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

韓国語の漢語動詞には「開学する「銘心する」「求乞する」「放学する」など日本語にはないが、中国語にはある漢語動詞も少なくない。言い換えれば、日韓両言語間で「負の転移」になる類である。このタイプの漢語および漢語動詞の用法を現地で把握すべく、北京大学で在外研究(2022.8.22~2023.8.21)を行なったため、膨大な資料は集められたが、全体の研究は遅れている。

今後の研究の推進方策

『李箱文学賞作品集1986-2015』のデータを対象に動作主標示の-eの調査を行なっている。23種類の活用形を用いて「VN-doida」の語彙調査をしているが、動作主標示「-e」との共起だけは一括処理ができないため、手作業をしている。「VN-doida」構文と助詞「-e」との共起関係は関わる漢語動詞の語数も最も多いため、欠かせない作業であり、これの結果が韓国語の漢語動詞の受身構文の特徴づけに非常に重要であるため、丁寧に行なっている。「VN-doida」「VN-badda」「VN-danghada」のいずれの用例も見られた「支配」「制限」「選択」などのVNの統語的および意味的特徴も明らかにする必要があり、新聞や小説などで関連する用例を集めている。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 6件、 査読あり 5件)

  • [国際共同研究] 北京大学歴史学系(中国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 2字漢語動詞1290語の対応にみる日中韓3言語の異同2024

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁
    • 雑誌名

      人文研究

      巻: 211 ページ: 25-51

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本における韓国語の言語景観と活用の可能性(2)―韓国語のヴォイスの導入の観点から―2024

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁・稲毛恵
    • 雑誌名

      神奈川大学言語景観

      巻: 46 ページ: 1-30

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本の多言語表示にみる日中韓3言語の漢語の使用―交差する漢字文化圏と共通語彙の状況を中心に―2023

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁
    • 雑誌名

      人文学研究所報

      巻: 69 ページ: 1-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 韓国語の「漢語VN-sikida」の用法と派生上の特徴--2つの語彙調査の結果を中心に--2023

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁
    • 雑誌名

      神奈川大学言語研究

      巻: 45 ページ: 1-23

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日韓両言語における2字漢語動詞の対応--1290語の分析と「基本漢語動詞」の策定--2023

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁
    • 雑誌名

      神奈川大学人文研究

      巻: 208 ページ: 113-145

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本語母語話者に韓国語の2字漢語動詞を体系的に提示するための取組みについて2022

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁
    • 雑誌名

      神奈川大学人文学研究所

      巻: 67 ページ: 103-119

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本における韓国語の言語景観と活用の可能性(1)―韓国語の漢語語彙力の向上の観点から―2021

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁
    • 雑誌名

      神奈川大学言語研究

      巻: 43 ページ: 1-34

    • NAID

      120007018461

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 韓国語の漢語ヴォイスの語彙調査―金薫の散文『鉛筆で書く』(2019)にみる漢語ヴォイスの使用状況2019

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁
    • 雑誌名

      神奈川大学言語研究

      巻: 42 ページ: 1-26

    • NAID

      40022211249

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] V-go sipda構文にみられる格助詞の交替について―『李箱文学賞作品集2006-2015』の用例分析を中心に2019

    • 著者名/発表者名
      尹亭仁・崔英姫
    • 雑誌名

      神奈川大学言語研究

      巻: 42 ページ: 27-56

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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