研究課題/領域番号 |
19K00781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 岐阜市立女子短期大学 |
研究代表者 |
小島 ますみ 岐阜市立女子短期大学, その他部局等, 准教授 (40600549)
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研究分担者 |
金田 拓 帝京科学大学, 教育人間科学部, 講師 (10759905)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ライティング力 / メタ分析 / ライティング評価 / 流暢性 / 正確性 / 統語的複雑性 / 語彙的複雑性 / 結束性 / 英語教育 / コンポーネント・スキルズ / 複雑性 / ライティング指導 / 第二言語ライティング / 妥当性 |
研究開始時の研究の概要 |
第二言語ライティング力と産出されるテクストの言語的特徴がどの程度関係があるかについて、多くの研究が蓄積されているが、結果が一貫していない。これは、結果に影響を与える変数や、言語指標の妥当性による影響があるためだと考えられる。本研究は、さまざまな要因を整理した上で、メタ分析という一般化可能性の高い研究手法により、ライティング力と言語的特徴の連関の強さを明らかにする。また、多数ある言語指標の中でどのような指標が妥当なのか妥当性検証を行う。本研究の成果は、より良いライティング評価や教育・研究に活用できると期待される。
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研究実績の概要 |
交付申請書に記載した本研究の研究課題は、主に以下の3点であった。1) 第二言語(L2)ライティング力と産出されるテクストの言語的特徴がどの程度関係があるかについて、メタ分析により過去の研究成果を統合し、ライティング力とどのような言語的特徴がどの程度連関するのか、また結果に影響を与える要因は何か明らかにする。2) 特に統語的複雑性と語彙的複雑性に注目して、指標の種類により結果がどのように異なるか、またどのような変数が結果に影響を与えるかを解明するべく、より詳細なメタ分析を行う。3) 収集した230人分の英作文データ、語彙テスト・文法テストのデータを使用し、統語的複雑性指標と語彙的複雑性指標の妥当性研究を行う。 1について、2022年度は研究成果を2つのブックチャプターとして公開することができた。また、名古屋大学大学院人文学研究科英語教育学分野の公開講座で研究成果に関する講演を行った。2について、ライティング単独タスクばかりではなく、他技能統合型タスク(リーディング統合ライティングタスク等)についてもメタ分析を行うべく、文献収集を行った。また、新たに加える調整変数について、文献研究により吟味した。3) については、統語的複雑性、語彙的複雑性、妥当性検証について、文献研究を行った。 複数のテクストの情報を統合しライティングを行うスキルは、アカデミックなライティングで重要なスキルであるため、研究対象領域をライティング単独タスクばかりではなく、他技能統合型タスクにまで広げた。他技能統合型タスクでは、課題文引用方法がライティング評価にどのように影響するかなど明らかになっていない点が多いため、ライティングのどのような言語的特徴が評価にどの程度連関するのか、また結果に影響を与える要因は何かを解明し、ライティング指導や評価に役立てることは重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度の研究実施計画は、主に以下であった。1)統語的複雑性に焦点を当てて、より詳細なメタ分析を行う。2) 語彙的複雑性に焦点を当てて、より詳細なメタ分析を行う。3) 平成27~30年度に科学研究費の助成を受けて収集した230人分のデータを使用し、統語的複雑性指標や語彙的複雑性指標の妥当性検証を行う。1と2について、現在収集している文献は2018年夏までに出版された文献のため、それ以降に出版された文献を収集し、コーディングを行う予定であったが、研究対象領域をライティング単独タスクばかりではなく、他技能統合型タスクにまで広げることにした。そのため、2018年以前の文献についても検索や収集をやり直すことにした。そのため時間がかかり、遅れが生じている。3について、統語的複雑性、語彙的複雑性、妥当性検証について文献研究を行ったが、近年この分野は発展が目覚ましく、読むべき文献が多いため、時間を要している。一方、研究課題のメインとなるテクストにおける言語的特徴とライティング力のメタ分析については、書籍や招待講演等で研究成果を公開することができた。したがって、現在までの進捗状況は、「やや遅れている」と考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の推進方策は、主に以下である。1)統語的複雑性と語彙的複雑性に焦点を当てて、より詳細なメタ分析を行う。2) 平成27~30年度に科学研究費の助成を受けて収集した230人分のデータを使用し、統語的複雑性指標や語彙的複雑性指標の妥当性検証を行う。 1について、研究対象領域をライティング単独タスクばかりではなく、他技能統合型タスクにまで広げて文献を収集し、文献の適格性を確認した上でコーディング等を行う。文献収集について、現在は22のジャーナルと6つのデータベースを検索している途中である。適格論文の引用文献表などもチェックする。また、収集した文献を精査し、どのような研究課題が取り組まれてきたのか検討した上で、全文献に対して追加の調整変数をコーディングする。2022年度に公開したメタ分析では調整変数として、書き手の年齢、L2習熟度、学習環境、母語(L1)とL2の距離、ライティングタスク、ライティング評価方法、指標の種類を分析したが、追加の調整変数の候補としては、ライティングの実施形態(標準テスト/教室)、公表の種類(ジャーナル論文、学位論文、書籍等)、公表年代、ターゲット語の種類、サンプルサイズの大小、語彙的類似性(両アルファベット/その他)などが考えられる。2について、メタ分析結果や文献研究に基づき対象とする統語的複雑性指標と語彙的複雑性指標を精査した上で、それらの指標の妥当性検証を行う。
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